eastern youth | 新代田 FEVER | 2018.02.02

一歩進んだ自由

eastern youthの2018年最初のライブは、新代田にあるFEVERで行われた。宮川企画「マイセルフ, ユアセルフ」への出演で、共演はGEZANだった。

開演時間の19時を10分ほど過ぎた頃、Rahsaan Roland Kirk(ラサーン・ローランド・カーク)の”I Say a Little Prayer”が流れ、メンバーが登場。

昨年9月に発売した最新アルバム、『SONGentoJIYU』の楽曲を織り交ぜつつ、代表曲も旧い曲から近年のものまでを70分の持ち時間にバランスよく配したセットリストだった。1曲目の”ソンゲントジユウ”で最新型のバンドのモードを打ち出し、序盤で早くも”夜明けの歌”のイントロが鳴らされれば、すかさず観客から歓声が返ってくる。”荒野に進路を取れ”で演奏が乱れる場面もあったが、一瞬で持ち直してみせ、3人の結束力を目の当たりにした。

“黄昏の駅前には何かある”は、この日初めてライヴで披露された。サビで吉野寿(Gt/Vo)が低音をとり、村岡ゆか(Ba)が主旋律を歌うコーラスは、音源とは違った味わいで興味深い。”月影”、”たとえばぼくが死んだら”と初期の代表曲が続いたあとの”テレビ塔”や、生活保護費削減のニュースや東京オリンピック開催について吉野がMCで言及したあとの”おとぎの国”は、いっそう胸に迫る。クライマックスは切なさ満点の”夜がまた来る”から”街の底”へ。”待の底”の間奏では吉野はギターを弾きながら膝をつく。そのままステージへ仰向けになり、昨年のツアーよりさらに一歩進んだ自由さを感じた。今年、結成30周年を迎えるeastern youth。これからどんな展開が待っているのだろうか? と期待してしまう。引き続き注目していきたい。今月は4日(日)にBAYCAMP2018 02に出演。24日(土)にはF.A.D YOKOHAMAでOLEDICKFOGGYと共演する。

— set list —

ソンゲントジユウ / 明けない夜はないのだ / 夜明けの歌 / 荒野に針路を取れ / 同調回路 / 黄昏の駅前には何かある / 月影 / たとえばぼくが死んだら / テレビ塔 / おとぎの国 / 夜がまた来る / 街の底

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Text by Keiko Hirakawa
Photo by Keiko Hirakawa