一体感が増した「50の日」
恒例となった5月10日=「50の日」に下北沢シェルターでのライヴである。昼くらいまでは雨が降っていたけど、午後には止んでいた。
オープニングアクトには、若くて50回転ズへのリスペクトを隠さない鉄砲、対バンとしてキレイで可愛いメロディををバンドサウンドに乗せて歌うザ・タペタムズを迎えた。両者の熱演もあり満員で十分に温まったフロアに50回転ズが登場した。
まず、サウンドチェック時に登場してリハーサルぽくザ・サーファリーズの“Wipe Out”を演奏する。それだけでもフロアは湧き上がる。
一回ステージを去り、改めて20時35分ころ、改めてドクター・フィールグッドの”Riot in Cell Block Number 9”がいつものように流れて登場する。最初にステージに現れたボギーが曲に被せるようにドラムを叩く。そのビートはベイシティ・ローラーズのカヴァーである“Saturday Night”のものだった。ギター&ヴォーカルのダニーが「土曜の夜だせ!騒ぎまくろうぜ!」と高速パンク風に改造された“Saturday Night”でフロアから手がたくさん上がり、最初からステージもフロアも飛ばしていく。
ベース&ヴォーカルのドリーが歌う“サンダーボーイ”も勢いが続く。ダニーが奏でるバッキングも新鮮で音源と違った印象も与える。“レッツゴー3匹!!”の前には軽くジャムってから、ダニーが「レッツゴー!」というとフロアから「3匹‼︎」と返ってきて演奏に入っていく。
「あいつが歌いたそうだぜ〜」とダニーがいってからボギーが歌う“エイトビートがとまらない”で途中の「アー、アア、アー、アアー」というコーラスがフロアからも声がでて一体感が増す。“KILLER”の勢いのあるスカパンクで縦に揺れて、ゆったりとした“WE ARE THE KIDS”でクールダウンと思いきや熱量は下がらない。ポップな“NO FUTUREじゃいられない”を経て“YOUNGERS ON THE ROAD”からは定番の流れ。この曲で加速をつけて、切ないメロディが疾走する“Vinyl Change The World”、そして“おさらばブギウギ”で締めくくる。初期の頃はなかなかコール&レスポンスをやらないフロアだったけど、今ではフロアからの声も大きく一発で決まり、ステージとフロアの一体感を実感する。
そしてアンコールに応えて、高速回転する“50回転ズのテーマ”。この曲でステージをメンバーたちは去るけど、アンコールを求める声は収まらず、メンバーたちは、ステージ脇でもう1曲何をやるか相談し3曲ほどタイトルが挙がったけど、「カヴァーで始まり、カヴァーで終わる」のと、この日の天候ということで「天気の神様に感謝しろよ〜」とRCサクセションの“雨あがりの夜空に”を演奏する。この短い間に話をまとめて、すぐに演奏に入ることができることに、やっぱりキャリアあるバンドは凄ぇ……と感じたのだった。もちろんフロアは大いに盛り上がり、バンドの最高は更新されたのだった。
Set List
1.Saturday Night
2.サンダーボーイ
3.レッツゴー3匹!!
4.エイトビートがとまらない
5.KILLER
6.WE ARE THE KIDS
7.NO FUTUREじゃいられない
8.YOUNGERS ON THE ROAD
9.Vinyl Change The World
10.おさらばブギウギ