KING BROTHERS | 大阪 難波メレ | 2019.10.24

もっともっとブルースを

JON SPENCER & THE HITMAKERのヨーロッパツアーのサポートも行った、イタリアのSLOKSの来日ツアー3日目の10月24日。キングブラザーズは難波メレにてSOLKSを迎え撃った。

アメリカ・メンフィスで行われたゴナーフェスの出演を含めた2週間のアメリカツアーから帰ったばかりのキングブラザーズは、ゾニーのギリギリまでタメを効かせたビートに、ケイゾウの切り込むようなシャウトと、マーヤのスクリームが掛け合う”Do Do Scratch”を1曲目に選んだ。“ルル”では何度も客にマイクを向けシャウトさせる笑顔のマーヤがいたが、観客に飛び込み「ニ・シ・ノ・ミ・ヤ」を叫ぶと、その狂犬のスイッチがパチンと入った。

“King of Boogie“ではテンポを抑えながらも、ブルージーさを強調させるゾニーのドラムに、マーヤとケイゾウのギターが絡み合うと、徐々にブギーのビートが早回しに回転していく。それは、「ただやけくそに走るだけさ」と歌いながらも、決して力技で押し切らない今のキングブラザーズを象徴していた。

メロディックなマーヤのギターに、ケイゾウのベースギターが音色豊かに重なり合う”69“。ケイゾウの歌にマーヤのコーラスが重なり合うと、ゾニーのドラムも揚々と歌いだす。「俺たちが主役じゃないんだよ、みなさんが主役なんですよ、わかりますか?もっともっともっと踊りまくれ」”BIG BEAT”でフロアに機材を降ろした後、ケイゾウはそう叫んだ。

様々な時代の楽曲が演奏され、どのアレンジにもブルースのエッセンスが盛り込まれている。しかし、アメリカ帰りがそうさせるのか、ブルースが本来持つ湿度を彼らからは感じない。奏でることに集中しているマーヤとタイトなビートを軸にバンドの舵を取っているゾニー。うねるような低音ギターで掘り進むケイゾウ。削ぎ落とされたそれぞれの個性が垣間見られたこの日、日本だけでなく世界中で培ってきた6年がキングブラザーズそのものを刷新してきたことを伺わせた。

11月後半には、来日するイギリスのBLACK MEKONと共に日本各地を回る。アメリカ帰りの一皮剥けた彼らがどんな光景を見せてくれるのか、期待したい。

<SET LIST>
01.Do Do Scratch
02.ルル
03.☆☆☆☆
04.スパイボーイズ
05.King of Boogie
05.69
06.Kill Your Idor
07.Paint It Black!!
08.BIG BEAT
09.マッハクラブ

<BLACK MEKON & KING BROTHERS JAPAN TOUR 2019>

11/19(火) 京都ネガポジ
11/20(水) 塚本ハウリンバー
11/21(木) 神戸108
11/22(金) 難波mele
11/23(土) 名古屋RAD SEVEN
11/24(日) 下北沢Basement Bar

<KING BROS official WEB 前売り3,500YEN(+1Dr)>

※プレゼント付き【枚数限定】
一般前売り 3,900円、当日 4,400円(共に1Dr別)
18:30OPEN/19:00 START

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Text by Tomoko Okabe
Photo by Tomoko Okabe