街の底から放った40分
10月30日、京都のKBSホールで開催されているボロフェスタに、eastern youthが出演した。今回のボロフェスタは、20周年記念。従来よりステージ数を減らした2ステージ制だが、10月29日から31日、11月5日から7日までの2週にわたって、バラエティーに富んだアーティストが登場する。
eastern youthの出演時間は15時15分。メンバー3人によるサウンドチェックが終わったタイミングでステージ脇にフレディ・マーキュリー(ライブエイド出演時)のコスプレをした男性が現れ、クイーンの”We Will Rock You”に合わせて観客を煽る。すると天井からフロアへミラーボールのような球体がゆっくり降りてきてパカっと割れ、中から「街の底からイースタンユース」と書かれた垂れ幕が下がったのだった。
ボロフェスタ流の歓迎を受けての1曲目は、”今日も続いてゆく”。村岡ゆか(Ba)と田森篤哉(Dr)の華やかさと安定感に満ちた演奏を基盤として、吉野寿(Gt/Vo)の力一杯のパフォーマンスが冴え渡る。体育館のような広い空間をギターの重音が切り裂き、叫びにのせた歌詞が観客の胸に刻まれていく。そして”いずこへ”、”雨曝しなら濡れるがいいさ”が続き、”ソンゲントジユウ”までは一気に演奏された。新旧の代表曲を織り交ぜた濃密な展開だ。
観客はスタンディングのフロアで間隔を取りながら観ていた。歓声を控えているため、1曲終わるごとに大きな拍手だけが返ってくる。吉野は”テレビ塔”のフレーズをゆっくりと弾きつつ「こういう雰囲気のライブ、慣れましたよ。もともとこういうのが好きなんです」「運動会みたいなの、若い頃はやってましたけど。ぐるぐる回ったりとか。やりたい人はどうぞ、やってくれていいですけど」と語ったところで田森のカウントが入って、”テレビ塔”が始まる。「もうすぐ雪が降る」という一節を聴いて、札幌ではそろそろ初雪が降るだろうと思ったりして、この季節にふさわしい選曲であることに気付かされる。
“テレビ塔”を余韻たっぷりに終えて、ラストは”街の底”。一昨年のボロフェスタには”街の底ステージ”と命名されたステージがあったくらいだから、この曲は外せないだろう。切れ味鋭い演奏に声の限りの叫びが乗って、あっという間の40分間が終わった。年内のライブはあと一本。12月 4日(土) に渋谷のTSUTAYA O-EASTで開催されるワンマンライブを残すのみとなった。
<SET LIST>
01.今日も続いてゆく
02.いずこへ
03.雨曝しなら濡れるがいいさ
04.ソンゲントジユウ
05.テレビ塔
06.街の底
『eastern youth 年末単独公演 2021』
2021年 12月 4日(土) TSUTAYA O-EAST
開場 16:00 / 開演 17:00
前売:¥5,000(指定席) ※1F/前方・2F/最前列
¥4,000(立ち見) ※1F後方エリア・2F後方エリア
※小学生以下は入場不可です。中学生以上はチケットご購入が必要です
※購入時に同行者含め個人情報の登録が必要となります
※指定座席は全席お客様がお座りになる設定です
※ライブ生配信はございません
https://smash-jpn.com/live/?id=3560
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