KING BROTHERS | 兵庫 カフェ・モンタージュ | 2022.11.19

西宮からニ・シ・ノ・ミ・ヤ!

キングブラザーズの地元西宮には海辺のスポットがいくつかあり、マリンスポーツができる甲子園浜海浜公園もそのひとつだ。11月19日、海辺に面したカフェモンタージュで「サンセットビーチパーティ」というイベントが開催された。先行のザ・ニートビーツがキングブラザーズの暴露話で会場を爆笑の渦に巻き込んだが、彼らは全く意に介さず“BIG BOSS”でその場の空気を塗り替えた。ロックンロールの瞬発力は毎度ながら圧巻で、観客が前へ前へとバンドに歩み寄らせる”魂を売り飛ばせ!”の流れには客じゃなくても拳を挙げたくなるほどだった。

イントロで歓声があがったのは、ケイゾウの低いギターの音色が地を這うかのような“闇の中ブルース”だ。ゾニーはグルーヴィにドラムを響かせていく。最近ステージに登場する、楕円形のバスドラムが特徴的なVOXのドラムは鳴りも抜けもよく、彼の表現豊かなドラミングを一層際立たせているように感じた。

窓外は次第に色を変え、差し込む光が移ろいゆく中、通称「虹盤」から“よく聞け!!世界”も演奏された。先日配信されたライブトークでは「虹盤は、こうやったらいいんだと分かって、今やっと格好良くなってると思ってる」とケイゾウが語っていたように、今のキングブラザーズにピタリと寄り添っている。

一方マーヤは、その破天荒なライブパフォーマンスとスクリームはもちろん彼の魅力であるのだが、踊りながらある時は激情をぶつけるように、また“虹と雲”では前傾姿勢でギターに入り込むように繊細なメロディーを奏で、その佇まいに観客は魅了されていた。

とはいえ、西宮でマーヤを担ぐという“ご当地神輿”に、ファンは当然ながら大盛り上がりだ。マーヤも「サンセットからのサンライズ」と叫びながらとうに暮れた夜を背景に、担がれたまま高速で移動だ。緊張感と高揚感で大団円を迎え窓の外に目を向けると、西宮の夜景を望むことができた。

現在、オフィシャル通販サイトでは、今年7月23日に神戸バリットの18周年に合わせて開催された『KING BROTHERS ONEMAN LIVE 2022』より、ライブ音源(全3種類)のダウンロードが付いた特製BIGバッジ/Tシャツが期間限定で発売されている。今のバンドの解釈で生まれ変わった初期ナンバーは必聴だ。

▼ダウンロード収録楽曲

1.“消えうせろ”、“あッ!!ああ”

2.“ムシャクシャ”、“明日をこえろ”

3.“虹と雲”、“ジタバタロック”

詳細はオフィシャルサイトをご確認ください。

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Text by Tomoko Okabe
Photo by Tomoko Okabe