ライヴハウスはどの場所で聴くかで音が変わってしまうことがあるけど、自分は渋谷クラブクアトロの後ろの方にいて、バンドが音をだした瞬間にゴリっとした重めの迫力を感じた。この迫力を食らいながら、ダブルアンコールを含めて約1時間40分のロックンロールの旅を体験したのだった。
フロアは埋まっていてコロナ禍から以前の状態に戻りつつある。やはり「人がたくさんいることによる熱気」というのは確実にあり、会場に流れるブリンズリー・シュウォーツの“(What’s So Funny ‘Bout) Peace, Love, and Understanding”を聴きながら、バンドの登場を待つ一体感が高まっていった。そしていつものようにドクター・フィールグッドの“Riot in Cell Block Number 9”が流れてドラムのボギー、ベースのドリー、ギターのダニーが現れた。
この日は、ライブアルバム『LIVE is ALIVE !』に収録された曲順にプラスアルファしたようなセットリストだった。“マイクチェック”から始まって、“50回転ズのテーマ”、“マブイあの娘”と冒頭を走り抜ける。フロアを埋め尽くしたお客さんたちは拳を突き上げ、バンドのスピード感に応える。
ダニーは『LIVE is ALIVE !』にまつわる裏話で笑わせて「今日のこの拍手が欲しかった」というくらいの大きな拍手が沸き起こっている。“KILLER”でのいつもと雰囲気が違う――70年代ロックのライヴアルバムにあるようなギターソロや“新世界ブルース”のイントロからの豪快なギターがゴリゴリしたドラムとベースと一体になっていた。
“NO NO NO”や“涙のスターダスト・トレイン”のように切なさやノスタルジーを含みつつ疾走するポップなパンクは50回転ズが得意とするものでフロアの盛り上がりも一層高まった。“おさらばブギウギ”では手拍子でのコール&レスポンスが継続しておこなわれるけど、会場を埋めた人たちは見事に応え本編を締めくくったのだった。ロックンロールやパンクを基本に、スカパンク、ケルティック(アイリッシュ)パンク、スウィング、ロカビリー、演歌、バラード、90年代風Jロックとバラエティ豊かで楽しめる。こんなにジャンルが雑多なバンドもなかなかない。
熱のある拍手が続きアンコールに応えて2曲、再度のアンコールに応えてこの日にふさわしいカヴァー曲を演奏していった。東京の翌日は名古屋、そしてツアーの最終日は11月27日の大阪・梅田クラブクアトロと日本各地を巡ったツアーもいよいよ大詰めになる。ツアー最終日もレポートする予定なので期待してください!
11/27(日) 梅田クラブクアトロ
TEL06-6311-8111 https://www.club-quattro.com/umeda/
OPEN/START:15:15/16:00
サウンドクリエーター TEL06-6357-4400 https://www.sound-c.co.jp/
ライブ詳細はザ50回転ズ オフィシャルサイトにてご確認ください。
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