eastern youthの『全国巡業公演 〜爆音列島2025〜』。8月10日、全国ツアー3公演目が広島・SECOND CRUTCHで開催された。広島でのライブは、2022年12月に広島クラブクアトロで行われたDMBQとの共演以来、約2年8カ月ぶり。また、ツアーとして訪れるのは2018年11月の結成30周年ツアー以来となる。前日の福岡公演を終えたメンバーは、雨の降る中、車で広島へ移動してきた。
開場時間ごろも強い雨が降っていたが、フロアはかなり埋まっている。吉野寿(Gt/Vo)はライブ序盤、「本日はお足元の悪い中、お集まりいただきありがとうございます」と感謝を述べ、「長く、うだつの上がらないまま、いたずらに何十年も演奏してきましたけれども、広島でこんなに人がいるのはちょっと久しぶりです。(フロアから歓声)いまフー!って言った人、絶対前からいた人じゃねえから。だって(広島では)前売り13枚だったことがあるもんね。俺は信用してねぇからな。心開いたわけじゃねえからな」と疑いの表情を見せ、フロアの笑いを誘った。
演奏が始まると、前日の疲れをまったく感じさせない気迫漲るパフォーマンスが会場を満たす。距離の近いライブハウスならではの濃密さの中、観客は吉野、村岡ゆか(Ba)、田森篤哉(Dr)の放つ重層的な響きに耳を傾け、一瞬も逃すまいとステージを見つめていた。37年間、毎回迫真のプレイを積み重ねてきたバンドのかけがえのなさが、爆音とともに胸に迫る。
終盤のMCでは、村岡が「めちゃめちゃお天気が悪かったですが、大丈夫でしたか」と観客を気遣い、「私は天気予報をちゃんと見てきたので、この中で1人だけ傘を持ってきたんですけど、出かけるたびに忘れて結局濡れました。この後、傘が使えたらいいなと思います」と語り、会場が和む。隣でFUGAZIの“Arpeggiator”のフレーズをゆっくり爪弾いていた吉野に「もう、そのまま入るんですか? 次の曲に」と問われ、「ツアー3日目、今日ここでプレイできてとても嬉しかったです。ありがとうございました」と付け足して締めくくると、会場は拍手に包まれ、アンコールへと進んだ。10年来おなじみの村岡と吉野の掛け合いを間近で味わえるのも、ツアーの醍醐味だ。
ツアーはこの後、1カ月弱の間を空けて9月6日(土)岡山 YEBISU YA PRO、9月7日(日)京都 磔磔へと続く。その間、8月24日には山形sandinistaで吉野のソロプロジェクト、outside yoshinoのライブが、8月30日(土)には渋谷クラブクアトロでゲストにkurayamisakaを迎えた『極東最前線』が予定されている。全国ツアーの合間に吉野のソロライブや『極東最前線』が挟まれるのは珍しいが、ツアー序盤から充実したパフォーマンスを見せているだけに、どちらも大いに期待したい。
『極東最前線 106 〜暗闇でしか聴こえぬ歌がある〜』
8月30日(土)渋谷CLUB QUATTRO
開場 16:00 / 開演:17:00
https://smash-jpn.com/live/?id=4504
『eastern youth 全国巡業公演 〜爆音列島2025〜』
https://smash-jpn.com/live/?id=4469
8月2日(土)千葉 LOOK
8月9日(土)福岡 DRUM Be-1
8月10日(日)広島 セカンドクラッチ
9月6日(土)岡山 YEBISU YA PRO
9月7日(日)京都 磔磔
10月3日(金)札幌 ペニーレーン24
10月4日(土)旭川 CASINO DRIVE
10月12日(日)F.A.D YOKOHAMA
10月13日(月・祝)静岡 UMBER
10月25日(土)盛岡 CLUB CHANGE WAVE
10月26日(日)仙台 Rensa
11月8日(土)金沢 AZ
11月9日(日)長野 ライブハウスJ
11月15日(土)福島 HIPSHOT JAPAN
11月16日(日)新潟 CLUB RIVERST
12月6日(土)名古屋CLUB QUATTRO
12月7日(日)梅田CLUB QUATTRO
12月20日(土)渋谷 Spotify O-EAST