eastern youth | 東京 CRAFTROCK FESTIVAL’23 | 2023.05.27

フェスとクラフトビールの相乗効果

5月27日、eastern youthがCRAFTROCK FESTIVAL ’23に出演した。同フェスティバルへの出演は2016年以来2回目。5月27、28日の2日間にわたるフェスの1日目、ホールステージのヘッドライナーを務めた。

2014年から始まったCRAFTROCK FESTIVALは、場所を変えながら昨年からは立川ステージガーデンで開催されている。フロアとスタンド席がある室内のホールステージと、芝生の観覧エリアがある屋外ステージの2ステージあり、屋外ステージの周囲をクラフトビールの出店が取り囲んでいた。観客は快晴の下、個性豊かなビールとライブを楽しみ、会場は開放的な空気に満ち溢れていた。

出演時間前のサウンドチェックでは、”時計台の鐘”と”たとえばぼくが死んだら”が演奏された。フェスのサウンドチェックは本番直前のことが多いので、曲が演奏されるのは珍しい。柵前でeastern youthの出番を待っていた観客はラッキーだった。

20:30、大きな拍手で迎えられたメンバー3人。吉野寿(Gt/Vo)、村岡ゆか(Ba)、田森篤哉(Dr)の3人が創り出す爆発的な響きで、冒頭2曲からフロアを震わせた。フェスとクラフトビールの相乗効果は絶大で、フロアも序盤から盛り上がりを見せる。eastern youthを初めて観るのではないかと思われる若い観客も多かったが、”男子畢生危機一髪”、”青すぎる空”と曲が進むごとに、大歓声が上がっていた。

吉野は、2016年の出演時はステージ上にPUNK IPAのビールサーバーが設置してあり、普段はライブ前や最中はアルコールを飲まないが、その日ばかりは演奏前後に自らタップからビールを注いで飲んだ記憶があると語る。

「今日は飲んでません。非常に面白くない。皆さんご機嫌ですな。出来上がってますよ。死ね!」とヤケクソ気味の吉野に、観客が爆笑する場面もあった。

“いずこへ””雨曝しなら濡れるがいいさ”と高い緊張感を保ちながらライブは進んでいく。「うまいビールを飲んで、俺たちは俺たち自身の自由を守るために戦う」と吉野が語ってから”ソンゲントジユウ”に入る流れでは、こうやって音楽を楽しめるかけがえのない日々は自由あってこそという重みを思い起こされ、気持ちが引き締められた。

村岡も「私もビールが大好きで、まだ飲んでないんですけどこんな素晴らしいイベントに出させていただいて本当に嬉しいです。ありがとうございます。みなさん、たくさん召し上がったんですか。私もライブが終わったらいただこうと思います」と挨拶した。出演前から楽屋で、演奏が終わったらどのビールを飲もうかのチェックに余念がなかった村岡。村岡の幸せそうな表情に観客はホッとさせられつつ、ラストの”夏の日の午後”、そしてアンコールの”DON QUIJOTE”へと渾身の演奏は続くのだった。

<SET LIST>
01.夜明けの歌
02.街の底
03.男子畢生危機一髪
04.青すぎる空
05.いずこへ
06.雨曝しなら濡れるがいいさ
07.ソンゲントジユウ
08.夏の日の午後

En.DON QUIJOTE


今後のイベント出演スケジュール

6月9日 (金)ライブナタリー“eastern youth × サニーデイ・サービス(代官山UNIT)※SOLD OUT
6月11日(日)THE CAMP BOOK 2023(長野)
6月17日(土)YATSUI FESTIVAL! 2023(渋谷)
7月15日(土)GFB‘23(つくばロックフェス)(茨城)
7月28日(金)FUJI ROCK FESTIVAL’23(新潟)
7月30日(日)ザ50回転ズPresents”Versus!Versus!Versus!2023″(大阪BIGCAT)

Text by Keiko Hirakawa
Photo by Keiko Hirakawa