先日、Drのゾニーが12月以降キングブラザーズでのライブ活動を休止することを明らかにした。 『ラジオでもお伝えしましたが今月いっぱいでキングブラザーズをお休みさせて頂きます!理由は半年くらい前からドラマーとしてライブパフォーマンスが上手くできなくなったのが理由です。メンバーとはしっかり話し合った上での決断です。仲良しです!復帰を願い、今後ともよろしくお願いします!』(ゾニー @zozozozozony より)
この日はその発表後のイベント出演だった。神戸の波止場近くのJames Blues Landは古い倉庫の3Fにある。フロアには幾つものアンティークソファとテーブルが所狭しと置かれており、壁に貼られたポスターや額には、往年のロックスターやブルースマンが飾られていた。
キングブラザーズは3番手。“よくきけ!!世界”でライブは始まった。年齢層高めの初見と思われる観客が多い中、ゾニーは緩急操りながら、ケイゾウとマーヤは少しずつギアをあげながらグルーヴを練り上げていく。
“闇の中ブルース“は、ケイゾウがいつもより丁寧に歌い、マーヤは噛み締めるようにバンドに意識を集中していた。「OK、行きましょう」というケイゾウの合図でゾニーのビートは転がり始め、マーヤがスクリームを挟むとフロアも少しずつその世界に身を委ね始めた。
「踊りまくりましょう」とケイゾウが言うと、3人がドス黒い音を放つ“ルル”へとなだれ込む。「人の上に乗りたい、人手が足りない」とマーヤは自身で観客を誘導しながらソファの間を担いで進ませる。聞き慣れた「ニ・シ・ノ・ミ・ヤ」コールも含め、マーヤとフロアの動きを見ながら、ケイゾウとゾニーが音のうねりを操る様は、今のキングブラザーズの音楽を象徴していた。
“☆☆☆☆”と“GET AWAY”でステージに戻ったマーヤが全開でフロアに向かって咆哮すると、客席から悲鳴のような歓声も上がった。この日の“GET AWAY”でゾニーの打音は、散弾銃のように四方八方へと放たれていた。彼は、軸となるビートの構造を壊すことなく、ケイゾウとマーヤを生かすべく、毎回そのライブ感で曲へのアプローチを変えていく。ゾニーがバンドにもたらした新しいビートの価値観は、10年でケイゾウとマーヤの表現力をも底上げした。
この夜の“マッハクラブ”の激しさの中に、攻撃性は息を潜めていた。いつだったかケイゾウが「何年マッハクラブやるんでしょうね」と言っていたことがある。その答えはマーヤが頭上を指差して叫ぶ「ロックンロールで完璧さ」であるし、最後にマーヤが叫んだこの言葉に尽きると思う。
「これから先どんなことがあってもいつも通り、何があっても道を開けようぜ、ロックンローラーは何があってもロックンロールをやろうぜ」
ゾニー休止までライブは残り3本。
▼LIVE情報
『MIKROCK ’23』
会場:大泉緑地 特設ステージ(GAIN / TONE / VOLUME の3ステージ *キングブラザーズはGAIN STAGEに出演)
日時:2023年11月18日(土)~19日(日)*キングブラザーズは18日に出演 朝10時 START
入場料:無料(投げ銭制)
『しょんべんフェス』
会場:大阪・十三GABU / グランドサロン *キングブラザーズはGABU FLOORに出演)
日時:2023年11月18日(土)~19日(日)*キングブラザーズは19日に出演 12時 START
入場料:予約4,500円 当日5,000円 (D別)
【うるさい DAY2 WEEKEND】
会場:大阪・NAMBA BEARS
日時:2023年11月25日(土)開場:18:30 開演:19:00
入場料:予約2,500円 当日2,800円
詳細はオフィシャルサイトをご確認ください。
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