KING BROTHERS | MIKROCK2023 in 大阪・大泉緑地 | 2023.11.18

寒風を引き裂き吠え狂う

11月18日、大阪の大泉緑地で行われた無料野外ロックフェス「MIKROCK2023」にキングブラザーズが出演した。

この日は朝から雨、昼には雹が降る悪天候に見舞われたが、キングブラザーズが出演する15:30頃には青空が広がった。しかし気温は9度。Gain Stageの前には、強風を受けながらもワクワクする気持ちが抑えららない表情で、バンドの登場を待つ観客がいた。

オンタイムでいつものSEがかかり、メンバーが登場すると観客がステージ前に詰め掛けた。「めちゃくちゃになろう」と言うケイゾウ(Vo/Gt)の声を引き金に“ルル”からライブが始まると、ゾニー(Dr)のドラムが寒さを打ちのめすような気迫全開の轟音で観客をヒートアップさせていく。

その場にいる全ての人間を虜にするキングブラザーズの吸引力は、フェスという環境においてより顕著に現れる。「踊りまくって寒さを吹き飛ばしましょう」というケイゾウの投げかける声でマーヤ(Gt/スクリーム)が早々に飛び込むと遠巻きに見ていた観客もいつの間にか大きな輪の中に加わり、嬉々とした表情でマーヤを担いている。ケイゾウのギターがゴリゴリと低音を響かせ、ゾニーはリズムとリズムを紡ぎ、観客のテンションをもぶち上げていく。

間髪入れずに“☆☆☆☆”“GET AWAY”とライブは続く。マーヤとケイゾウのツインボーカルで歌う「絵に描いたよ二人で」のリリックに合わせ、ゾニーは観客の胸に打ち込むように音を重ねた。25年かけて築き上げてきたキングブラザーズというバンドの完全体はゾニーがいてこそだと言わんばかりに、ケイゾウは“Sympathy For The XXXXX”で「真ん中でぶっ叩いてる男ゾニー!」と紹介した。その言葉を受けるやいなや、ゾニーは全身全霊で爆発させ観客を大いに沸かせた。



マーヤが観客に向かって飛び込む時、ケイゾウは観客に背を向ける形でアンプの上に立っている。ケイゾウは背中でマーヤを感じ、ゾニーは全体を把握しながらマーヤがここしかあり得ないというキメのタイミングを目指して盛り上げていく。ライブの度に訪れるそんな劇的な大団円は、絶対的な3人の信頼関係の上に成り立っていて、この3人以外に成し得ないことを痛感する。

寒風がステージ前の芝生広場を吹き抜けていたが、マーヤが「子供たちもたくさん来ている。こんな大人になりたいと思わなくてもいい、こんな大人もいるんやで!」と叫ぶと、ケイゾウは「踊りまくってロックンロールを手に入れてください」と吠えた。ゾニーは爆音に爆音を重ね、最後は“マッハクラブ”で疾風のように30分のライブを駆け抜けたのだった。

本日11月19日(日)はこの後14:35から大阪・十三GABU / グランドサロンで行われる『しょんべんフェス』に出演する。キングブラザーズはGABU FLOORステージにて。もちろんリムプレスは後日ライブレポートをお伝えしますがライブは生もの。その場で体感したことが全てなので、是非とも足を運んでみて欲しい。

 
『しょんべんフェス』
会場:大阪・十三GABU / グランドサロン *キングブラザーズはGABU FLOORに出演)
日時:2023年11月18日(土)~19日(日)*キングブラザーズは19日に出演 12時 START
入場料:予約4,500円 当日5,000円 (D別)

【うるさい DAY2 WEEKEND】
会場:大阪・NAMBA BEARS
日時:2023年11月25日(土)開場:18:30 開演:19:00
入場料:予約2,500円 当日2,800円

詳細はオフィシャルサイトをご確認ください。

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Text by Tomoko Okabe
Photo by Tomoko Okabe