世界で一番人の上に飛び込んでいる！
11月19日、大阪・十三GABUとグランドサロンの2カ所で行われた「しょんべんフェス」2日目、キングブラザーズは十三GABUのフロアステージのトップバッターだった。メインステージの少年ナイフがステージからはけると同時にSEが鳴り、殺気とも取れる緊張感を纏った３人がフロアに入場する。前日のMIKROCKでのライブと同様、1曲目は“ルル”だ。しかし、青空の下とは受ける印象が違った。天井が吹き飛んでしまうんじゃないかというとんでもない気迫を乗せた爆音が、昼下がりのライヴハウスを一瞬で塗り替えてしまった。
「さあ今日は何をする/このくだらない世界で」と歌うケイゾウの、マイク前ギリギリまで観客が詰め寄る。マーヤが当たり前のように観客に飛び込むと「西宮の大統領ケイゾウ、西宮の爆弾野郎ゾニーゾニーゾニー」とゾニーを連呼した。ゾニーは怒涛のプレイで応え、ケイゾウは地を這う重低音を鳴らし、マーヤはフロアを満遍なく担がせ大きな渦を生み出した。
もっと狂ったように踊るんだよ、と“魂を売りとばせ!!”の曲間にケイゾウはMCを挟む。とめどなく押し寄せる爆音に、フロアも高揚感で満たされていく。
続く“69”で、マーヤの切り裂くようなリフにケイゾウのうねるビートが重なり、ゾニーのシンバルの乾いた音が差し込まれると、ビートに揺れる観客の動きが更に大きくなった。「どこへ行けばいい？転がるように」この歌詞を振り絞り歌うケイゾウの表情に、マーヤとゾニーの一心不乱な姿に感動していると、「このギターに乗っかって、このビートに乗っかっていく！素晴らしいよ！」とケイゾウが叫んだ。ゾニーが真ん中でぶっ叩くこの光景も12月以降はしばらくお預けかと思うと、この言葉が胸に突き刺さった。
“マッハクラブ”でマーヤはその至近距離の観客を物ともせずスクリームしていく。ゾニーは冷静な眼をしながら、途轍もない爆発力を見せ、爆発に爆発を重ねたその火勢は、飛び火した観客を熱狂させ続けた。
人の上に立つマーヤが、見渡して言う。「We are 西宮から来ましたキングブラザーズです、お陰で25周年迎えました。皆様のおかげで人のうえに立つロックンローラーになれました。あなたたちは今すごいものを見ている、おそらく世界で一番人の上に飛び込んでいる！ロックンロールで未来永劫完璧さ、Fuck you ! 」ケイゾウから観客へ、観客からマーヤへギターが渡されると、マーヤは担がれたままギターを掻き鳴らし、終始圧倒的なステージ見せつけたのだった。
【うるさい DAY2 WEEKEND】
会場：大阪・NAMBA BEARS
日時：2023年11月25日（土）開場：18:30 開演：19:00
入場料：予約2,500円 当日2,800円
詳細はオフィシャルサイトをご確認ください。
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