eastern youth | 長野 THE CAMP BOOK 2024 | 2024.06.08

清涼な空気と翳りゆく空の下

6月8日、eastern youthが長野県の富士見高原リゾートにて開催されたTHE CAMP BOOK 2024に出演した。同フェスへの出演は4回目。フェス1日目、会場で一番大きいTHE GROUND STAGEのトリ前の出番ということもあり、ステージ前には多くの観客が集まった。

出演時間に先駆けたサウンドチェックでは、吉野寿(Gt/Vo)が「ケツからカフェインが出るまでコーフィーをどうぞ。肺の中は漆黒!…ニコティン」と、eastern youthが古くから何度も共演している盟友、fOULの”wax & wane“の冒頭のセリフを口にし、村岡ゆか(Ba)、田森篤哉(Dr)とともに”たとえばぼくが死んだら”を演奏した。

この日は15時50分からfOULも同フェスのTHE HOUSE STAGEに出演し、フェス初登場ながら瑞々しく堂々と、唯一無二の存在感を放っていた。その演奏のラストの曲目が”wax & wane”だった。

fOULを初めてフェスに呼んだ主催者のセンスは賞賛に値する。当然観客はfOULを観たらeastern youthも観るし、その逆も然りだ。サウンドチェックからeastern youthを観ようとステージ前に集まった観客は、吉野から飛び出した思わぬセリフに一斉に笑顔になった。

出演時間の18時20分。Built to Spillの”Some”が流れ、メンバー3人が大きな歓声に迎えられてステージに登場した。演奏は”夏の日の午後”からスタートし、”ズッコケ問答”、”青すぎる空”とよどみなく続く。吉野がイントロのギターフレーズを爪弾くと、呼応するように歓声が沸き起こり、重量感と煌めきのある爆音のさざめきに圧倒される。吉野のアクションのキレも凄みが漲り、村岡、田森の音色からも並々ならぬ気迫と集中力が伝わってくる。家族連れで参加する観客も多い、このキャンプインフェスの空気がキリリと引き締まっていく。

「お届けしているのはeastern youthです」と吉野による簡単な自己紹介の後、”ソンゲントジユウ”が始まり、後半へ突入する。”夜明けの歌”、”街の底”の冴えたテンションとともに、吉野の絶叫と歌詞がずしりと胸に刺さった。天気にも恵まれ、演奏終了がちょうど日没時間と重なる最高のロケーションでの演奏だった。山中の清涼な空気と翳りゆく空の下、名曲揃いの40分を一気に駆け抜け、eastern youthは観客ひとりひとりの胸に大きな余韻を残したのだった。「ありがとう、また会う日まで。さよなら!」の言葉で締めた去り際、吉野はステージ中央で再度頭を下げて、観客の大きな拍手に応えていた。

<SET LIST>
01.夏の日の午後
02.ズッコケ問答
03.青すぎる空
04.ソンゲントジユウ
05.夜明けの歌
06.街の底

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Text by Keiko Hirakawa
Photo by Keiko Hirakawa