ザ50回転ズ | 京都 磔磔 | 2018.5.12

9年分の気迫溢れるツアースタート

2017年11月から12月にかけて行われた「Good Bye! Seventeen Tour」でツアー先行発売されていた9年ぶりとなるフルアルバム『ザ50回転ズ』。満を持してレコ発ツアー「Hello!Eighteen Tourが5月12日(土)京都 磔磔から始まった。

撮影場所を確保するのも移動もままならない満員のフロアでは、まだライブが始まっていないというのに汗が吹き出るほどだった。開演時間を迎え、メンバーを呼ぶこむファンの言葉に微笑む楽屋のメンバーの顔には、緊張と気迫が浮かんでいた。ボギー(Dr)、ドリー(Ba/Vo)次いでダニー(Vo/Gt)がステージに駆け上がると、メンバーを呼ぶ歓声が飛び交った。

数曲一気に畳み掛けるように演奏しては短めのMCを挟み、密度の濃い時間が飛ぶように過ぎていった。

「50回転ズ、9年前と音楽・演奏・技術・歌詞の内容、ほとんど何も変わりません。ただ一つだけ変わったことが…エアコンつけていただけますか。ライブ先は長いんだぜ、楽しんでみて欲しい!」序盤で汗だくの観客を見てダニーがスタッフに指示を投げた。

ライトひとつとっても念入りにリハーサルする彼らのストイックな姿勢は、完璧なライブの為であることはもちろんだが、足を運んでくれるファンが楽しんでもらえることを優先している。それは、遠方からのファンが来やすいように、親子で来やすいように、スタート時間を早める会場を設けることからもわかる。

ニューアルバムからの楽曲は惜しげも無く演奏されていった。迷いのなさ、勢いあるステージングは9年前とは比べものにならない。ダニーは謙遜してああ言っていたが、表情豊かな3人の音色は、奇を衒うことなく確信を持って自分たちの音楽を突き詰めてきた現れでもある。

観客は男女問わず「かっこいいー!」という声をステージに投げかけていた。歌モノの楽曲も、疾走感あるれる16ビートも、全ての扉は開け放たれ、ザ50回転ズの魅力で溢れていた。それは9年前から、出会った頃から変わらぬ印象、関西弁で言うなれば「せこい!」(もちろん最大級の褒め言葉)のだ。

ライブでおなじみの曲が4カウントで始まると、隙間のない磔磔は狂ったように踊る観客で更に温度が上がっていった。ツアーが終わる頃、ニューアルバムの曲たちも、おなじみの一員となるだろう。ツアーバンドがどんな変貌を遂げていくのか、ぜひその目で目撃してほしい。

 

▼ザ50回転ズ Hello!Eighteen Tour

05/12 京都磔磔
05/13 高松TOONICE
05/17 大分club SPOT
05/18 鹿児島SR HALL
05/20 熊本Django
05/22 松山サロンキティ
05/23 出雲APOLLO
05/26 福岡 CB
05/27 広島セカンドクラッチ
05/31 横浜F.A.D YOKOHAMA
06/02 千葉LOOK
06/03 仙台enn2nd
06/05 静岡Sunash
06/09 徳島club GRINDHOUSE
06/14 札幌BESSIE HALL
06/16 旭川CASINO DRIVE
06/17 苫小牧ELLCUBE
06/20 盛岡the five morioka
06/21 郡山club #9
06/23 新潟CLUB RIVERST
06/24 金沢vanvan V4
06/30 名古屋SPADE BOX
07/01 渋谷WWW X
07/06 岡山 MO:GLA
07/07 梅田クラブクアトロ

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Text by Tomoko Okabe
Photo by Tomoko Okabe