eastern youth | FUJI ROCK FESTIVAL | 2018.07.28

グリーンステージ、2日目1番手。掛け値無しの姿、堂々と

朝から雨が降ったり止んだりしていたフジロック・フェスティバル2日目、午前9時45分。フジロックで一番大きなグリーンステージでは、eastern youthのメンバーによるサウンドチェックが始まった。モッシュピットでは、20人くらいの観客が最前列でその様子を眺めている。ひととおり確認を終えると、3人は「沸点36℃」を通して演奏。音に引き寄せられるように人が集まってきて、演奏が終わる頃には100人を超える人たちがモッシュピットの中から拍手を送っていた。1枚目の写真は、その時の様子だ。

2011年のホワイトステージ以来、7年ぶり、7回目のフジロック出演だった。eastern youthは2008年に、結成20周年のタイミングで午前中の一番手としてグリーンステージに出演している。あれから10年。今回のグリーンステージへの出演も、eastern youthの結成30周年の節目を象徴づける大舞台といえるだろう。そして結成30周年を記念する流れは、ここから始まっていく。9月5日には新曲「循環バス」が配信スタートし、9月23日(日)の千葉LOOKから、12月8日(土)の渋谷TSUTAYA O-EASTまで、全国14箇所を巡るツアー『eastern youth 極東最前線/巡業 ~石の上にも三十年~』が決定している。

午前11時。グリーンステージの開演を知らせる、忌野清志郎の「田舎へ行こう!」が流れ、谷岡ヤスジ「ヤスジのオラオラ節」の「ヒルに近い、アサーッ!」の大きなかけ声とともにメンバーがステージに登場した。これは2008年のグリーンステージ出演時と全く同じ登場の仕方だった。セットリストは、最新アルバム『SONGentoJIYU』のリード曲「ソンゲントジユウ」を1曲目に配し、代表曲が網羅された決定版的な選曲。eastern youthの歩んできた30年と、自身の人生を重ね合わせながら観た人も多かったかもしれない。2015年の村岡ゆか(Ba)加入以来、初のフジロック出演でもあった。しかし、3人にはグリーンステージだから、節目だからという気負いは一切なかった。吉野寿(Gt/Vo)は、大きな山が臨めるステージからの景色を贅沢な眺めだと言い、「いい冥土の土産になった」と語って笑いを誘っていたが、今を限りと言わんばかりの姿勢で演奏をしているからこその言葉だろう。

eastern youthは一回一回のライブを地道に積み重ねた果てにある、掛け値無しの姿を堂々と提示してみせ、その姿はグリーンステージ一帯の見渡す限りの観客、Youtubeのライブ配信の画面越しに見ている多くの人々に届いた。最後の曲「夏の日の午後」のコーラスの最高潮の盛り上がりを目にして、そう確信した。

<SET LIST>
01.ソンゲントジユウ
02.街の底
03.夜明けの歌
04.荒野に針路を取れ
05.男子畢生危機一髪
06.青すぎる空
07.矯正視力〇・六
08.雨曝しなら濡れるがいいさ
09.夏の日の午後


eastern youth 極東最前線/巡業 ~石の上にも三十年~
9/23(日)千葉 LOOK
9/29(土)京都・磔磔
9/30(日)金沢 GOLD CREEK
10/6(土)札幌 cube garden
10/27(土)仙台 CLUB JUNK BOX
10/28(日)盛岡 the five morioka
11/3(土)新潟 CLUB RIVERST
11/4(日)長野 LIVE HOUSE J
11/10(土)福岡 DRUM Be-1
11/23(金・祝)広島 4.14
11/24(土)岡山 ペパーランド
12/1(土)大阪・梅田CLUB QUATTRO
12/2(日)名古屋 CLUB QUATTRO
12/8(土)渋谷 TSUTAYA O-EAST

Text by Keiko Hirakawa
Photo by Keiko Hirakawa