outside yoshino | 愛知 UME JAM2 | 2018.08.26

快晴の下、新たなセットで魅せた55分間

8月26日、愛知県知多市の佐布里緑と花のふれあい公園で行われた、UME JAM2にoutside yoshinoが出演した。UME JAMは今年で開催2回目となる、入場無料、公園内で屋台の食事やBBQを楽しみながら、広い芝生でステージを見られる居心地の良いイベントだ。会場内は子ども連れ、犬連れのファミリーやライブ目当ての観客で、ほどよく賑わっていた。

outside yoshinoのステージセットといえば、VOXの3Wのポータブル・アンプとYAMAHAのセミアコの組み合わせが定番だったが、今年7月27日のFUJI ROCK FESTIVALの苗場食堂出演時より、アンプはJC-120、ギターは吉野寿が10代の頃から使っていたムスタングを使用するようになった。

サウンドチェックのときから、早くライブを始めたいように見えた吉野は、スタッフに声をかけて予定より15分早く演奏をスタートさせた。ゆっくりと歌いはじめた「裸足で行かざるを得ない」は中盤からリズムを刻んでギアを上げ、「靴紐直して走る」「泣くんじゃねえよ男だろ」「ナニクソ節」と、JC-120のパワフルな鳴りとの相乗効果で勢いよく進める。「ソンゲントジユウ」は原曲とキーを変え、モノローグはじっくりと聞かせて、バンドでの演奏とは異なる味わいに仕上げていた。西岡恭蔵のカヴァー「君の窓から」は、切なさの込められた歌い方はそのままだが、以前のセミアコとのギターの音色の違いがハッキリと感じられた。ムスタングとJC-120の組み合わせの方が、かすかなノイズ混じりで、迫力があり、よりパンクっぽく響く。

ソロライブでの定番曲「ファイトバック現代」、観客から歓声があがった「青すぎる空」、ソウル・フラワー・ユニオンのカヴァー「荒れ地にて」を立て続けに演奏し、「ソンゲントジユウ」同様にソロ仕様のアレンジが聴かせる「街の底」で締めくくった。直射日光の当たるステージで、「ビールがあっという間にぬるくなるね」と言いながら歌っていた吉野。すかさず冷たいビールや水を持ってくるスタッフに和ませられながら、予定終了時間まで55分間のライブだった。

今年に入り、吉野はいままでソロライブで披露していなかったeastern youthの曲や、新たなカヴァー曲をレパートリーに投入し、ソロでも新たな動きを模索しているように見えた。ついに長年定着していた機材も変更して、これからどうなるのかにも引き続き注目したい。

9月5日(水)にはふたたび愛知県に戻り、名古屋の今池TOKUZOで「鈴木実貴子ズ1st single『平成が終わる/音楽やめたい』リリースツアーファイナル」に出演する。翌日、9月6日(木)には大阪のLoft PlusOne Westで、吉野のワンマン・ライブシリーズ「歌の番外地」が開催される。詳しい情報は、吉野の公式サイトを参照してほしい。9月23日(日)からのeastern youthの結成30周年を記念する全国ツアーが始まると、ソロライブを見る機会はしばらく先になりそうなので、両公演とも平日開催だが、見逃し厳禁だ。

<SET LIST>
01.裸足で行かざるを得ない
02.靴紐直して走る
03.泣くんじゃねえよ男だろ
04.ナニクソ節
05.ソンゲントジユウ
06.君の窓から
07.ファイトバック現代
08.青すぎる空
09.荒れ地にて
10.街の底

Text by Keiko Hirakawa
Photo by Keiko Hirakawa