CARL CRAIG | 朝霧JAM 2017 | 2017.10.07

貫禄ただよう、圧巻のセット

デトロイト・テクノ第2世代の重要人物として名高いDJ / プロデューサー、カール・クレイグ(Carl Craig)。今年4月にリリースした最新作『ヴァーサス』では、自身の名曲群をオーケストラとコラボして蘇らせた。20時15分、ドリンク片手に悠然とムーンシャイン・ステージに登場したクレイグ。荘厳な重音でのオープニングを経て、リズムを刻みはじめると、観客から待ってましたとばかりに最初の歓声があがる。「ツァラトゥストラはかく語りき」や「トッカータとフーガ・ニ短調」といったクラシックの有名なフレーズをフックとしながら、開始30分経過後からは重量感のある四つ打ちのリズムを加え、観客を絶え間なく揺らしていく。

「ワルキューレの騎行」を勇ましく鳴らして迎えたクライマックスは、テンションに満ちた女性ボーカルのトラックが加わり、リズムもアグレッシブに。ラストは再度「ツァラトゥストラはかく語りき」が響き、さらなる高揚へ。熱烈な歓声に応え、20分間のアンコールもあった。貫禄ただよう、圧巻のセットでムーンシャイン・ステージ、1日目のトリを飾った。

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Text by Keiko Hirakawa
Photo by Yoshitaka Kogawa