最新型エンターテインメントのあり方を魅せた夜
日本が世界に誇るテクノポップ・ユニット、パフュームが3月17日にSXSWで魅せたステージは最高に眩しかった。プロジェクションマッピングを駆使した近未来的なステージに、観客の誰もが圧倒されていた。
既に3回のワールドツアーをこなし、昨年11月にはニューヨークでも初公演を行ったパフュームの知名度は既に高いようで、日本人以外にもさまざまな人種の観客が集まっていた。ハイランドという小さなライヴハウスでパフュームを見られるとあって、会場にはライヴ開始の1時間以上前からパンパンに人が入っている。開始時間が近づくにつれ、ぎゅうぎゅう詰めとなった会場から待ちきれず歓声や手拍子が起こり始めた。ステージ上に設置された6枚の大きなスクリーンが、これから始まるライヴへ想像を掻き立てる。
YouTubeのライヴストリーミングでも生配信された“Story”で舞台は幕を開ける。半透明なスクリーンにグラフィカルな映像が投影され、その背後にパフュームの姿が浮かび上がったとき、大歓声が上がった。 SXSWのために用意された「 Story -SXSW mix」のイントロの間、パフュームはスクリーンを手に持ち音楽に合わせて動きながら、映像とダンスを最新技術で融合したステージを演出。サビの部分でスクリーンの前に出てくると、踊る体に各国語に訳された“Story”の歌詞が投影されて、ファンを沸かせた。圧巻のパフォーマンスである。
“Story”が終わると暗転の間に速攻で衣装替え。モノトーンからピンク色の衣装に替えて“Spending All My Time”へと入った。ファンにはおなじみの自己紹介では、観客も一緒になって声を上げる。ここまで パフュームの人気が浸透しているのかと正直驚いた。曲間のトークでは、あ〜ちゃんがMCの中心となって、英語で観客に語りかけていたが、日本語のときの変わらないノリの良さが会場を大いに沸かせていた。
パフュームは“エレクトロ・ワールド”から“Fake It”、“スパイス”まで、新旧のヒット曲を織り交ぜながら、キレのいいダンスで観客を圧倒。観客も巻き込んで踊る“チョコレイト・ディスコ”、PVを背景に流しながらの“Spring Of Life2で終始観客を魅了したまま、ステージは終了した。客電が点いても、なかなかアンコールが鳴り止まなかったのは言うまでもない。国境を越えて活躍を始めたパフュームの輝きを、日本人として誇らしく思った夜だった。
– set list –
Story / Spending All My Time / ポリリズム / スパイス / Magic Of Love / P.T.A.のコーナー / Fake It / エレクトロ・ワールド / チョコレイト・ディスコ / Spring Of Life
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