生まれ変わり続ける、今
”魂を売り飛ばせ!!”でほの暗い工事用電球に照らされた小さなステージから爆音が飛び出す。ゾニーとケイゾウが時折その電球を揺らすと、狭いステージ上でスクリームしながら弾き踊るマーヤの影が、更に大きく動いた。
キングブラザーズは、10月に14本のドイツ・フランス・イギリス公演を終えたあと、ニュージランドから来日したCINDYとのツアーを経て、横浜のすばらしか、札幌のRUMDEESとのツアーの真っ最中だ。
メインのステージでとんでもないグルーヴを見せたRUMDEESのライブが終わるやいなや、Andre Williamsの”Black Godfather”が流れるとフロア後方からキングブラザーズの3人が客を掻き分け、ホール右手の小さなステージに上がった。
キングブラザーズは、毎年のように海外でライブをしている。メンバーは地元に密着したいいライブハウスばかりだと語っていた。その世界中のどこかしこでも彼らは特別なことはしていない。極東のNISHINOMIYAという町から20年鳴らしてきたままのライブをし、地元の人の胸をも突いていく。我々は、大きなフェスのメインステージを見て感動することもあれば、電車の振動が伝わる場所、神戸108のような小さなライブハウスで目撃する1時間弱のライブで胸を震わせることもある。フェスティバルで観客の大歓声を受けて立つ3人も、裸電球に灯されて激しく燃えるような気迫を見せる姿も、その対応力と瞬発力に我々はいつもぶち抜かれてきた。
“Doo Doo Scratch”でゾニーは今日という日にその証を刻み彫るようなドラムを叩き、曲が終盤に向けて盛り上がる中、ケイゾウは地を這うような低音のリフを繰り返し鳴らし観客を煽り続けた。マーヤは”No Want”で笑顔を見せながら楽しそうな表情をフロアに向けたかと思えば、眼光鋭くフロアに飛び込む姿も見せた。「やる方見る方も踊る方も最高だ」とマーヤは叫んで天井を歩きながらフロアを担がれて回った。
海外ツアーではきっと、限られた設備の中で演奏しているだろう。その過酷さは、個々の有り様、音の輪郭が露わになるのを後押しし、新たなロックンロールを生み出す。このスプリットツアーが終わるとワンマン・ライブが12月1日(土)地元西宮フレンテホールにて行われる。4年前ゾニーがキングブラザーズに加入して初めてお披露目となったワンマン・ライブと同じ場所だ。この日はバンドとして初となる写真集「KING BROTHERS」も発売される。20周年の締めくくりとなるライブに、是非とも足を運んで欲しい。
<SET LIST>
1.魂を売り飛ばせ!!
2.Doo Doo Scratch
2.wasteland
3.何も欲しくない
4.Bang! Blues
5.Sympathy For The XXXXX
6.ルル
▼公演詳細
KING BROTHERS & さくらFM20周年記念
『ゑびすロックフェスティバル 2018 番外編』
キングブラザーズ 20周年記念ワンマンライブ in 西宮フレンテホール
日時 : 2018年 12月1日(土) 18:00開場/18:30開演
会場 : 西宮フレンテホール
出演 : キングブラザーズ with スペシャルゲスト : 岩井ロングセラー(organ)
オープニングアクト:ザ・リラクシンズ
料金 : ニシノミヤ特別価格チケット 2,438円、一般前売価格3500円、当日4000円(全て1Dr別)
*高校生以下は入場無料(中学生以下は保護者同伴が条件)
発売日:
10月21日(日)〜 キングブラザーズオフィシャルサイト
11月04日(日)〜 TOWER mini ららぽーと甲子園店、HMV阪急西宮ガーデンズ、清水音泉HP内 湯仲間先行、RAT☆RACE、フレンテホール
11月18日(日)〜 一般前売価格チケット(3,500円)は各プレイガイド(チケットぴあ、ローソンチケット、イープラス、清水音泉HP内 湯仲間直売所)
*入場順はKING BROTHERS official WEB 先行→市内各販売窓口/清水音泉HP湯仲間先行、→一般プレイガイド→高校生以下(無料招待枠)の順。
*中学生以下(無料招待枠)の御入場は保護者同伴でのみ入場可能。なお会場定員に達した場合は御入場をお断りする場合あり。
詳しくはキングブラザーズオフィシャルサイト
問合せ : 清水音泉 06-6357-3666(平日 12:00~17:00) 後援 : 西宮さくらFM(78.7MHz)
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