KING BROTHERS | 兵庫 CHICKEN GEORGE | 2019.01.07

Rock or Die !

神戸 バリットとチキンジョージによる同時開催イベント『KOBE Goodies Collection』にキングブラザーズが登場した。

2曲目「魂を売り飛ばせ!!」で「人殺し以外何やったって構いませんよ!隣の奴なんか関係ない」とケイゾウが観客に噛み付くように叫び、ゾニーがカウントを取ると否が応でも観客は盛り上がる。1曲目「ルル」で、既にフロアに飛び込んでいたマーヤは口元に笑みを浮かべながらその言葉を聞いていた。ケイゾウの怒りが露わになればなるほど、マーヤはケイゾウに、ギターに、今のバンドに、その全てになのか分からないが、愛おしそうな表情を隠さずギターをかき鳴らした。ゾニーは二人のギターリストが繰り出すグルーヴを支えながら、次の着火点を虎視眈々と狙っている。

「Bang!Blues」では「もっとエロティックなダンス踊ってください!」「もっとやばい踊り踊ってください!」と、ケイゾウのその言葉を引き金にして、ゾニーがいっそう頭を大きく振りながら叩くと、フロアの視線がグッと集められた。ゾニーが加入する前の7年間、キングブラザーズは当初からベースレスの3ピースという構成を変え、ベースを入れた4人体制で進めてきた。そこからのバンド改編、全ての楽曲を構築し直すその過程で、ゾニーの饒舌なドラミング、多様性がバンドを再び開花させたと言っても過言ではないと思う。

これは余談だが、4人での最後のライブの後、関係者を前にした打ち上げで神妙な顔をしていたのは脱退するシンノスケ(Ba)とタイチ(Dr)の方で、ケイゾウとマーヤは満面の笑みで挨拶をしていた。後で聞いたところ、その時はまだゾニーとは出会う前だったとのこと。この二人は未来に確信を持っているんだと気付き鳥肌が立ったのを覚えている。二人はゾニーを迎え、そこからたった5ヶ月で完全復活し、バンドの歴史を塗り替え始めた。

「Sympathy For The XXXXX」では、マイクを持ったケイゾウがステージからフロアへと降り、四方を取り囲む客にも、後方にいる客にも、一人ずつ見渡すように歌う。フロアの中央で、熱い思いを吐露する。その息吹が客にも『シンパシー=共鳴』していく。ケイゾウはマーヤにも降りるよう手招きするもケーブルの長さが足りず、苦笑いするマーヤがギリギリまでケイゾウに近付いた。客を煽り、叫び、ケイゾウが饒舌になればなるほどマーヤはギターに神経を集中していた。静と動がケイゾウとマーヤを行き来する波のようなライブ。そしてその中央で、爆発的なエネルギーを増幅するゾニー。3ピースとしての完成形なんじゃないだろうか。

最後はマーヤが満を持してフロアに飛び込む「マッハクラブ」だ。マーヤの「新年ということでリーダーありがたいお言葉ぶちかまして頂けるでしょうか?」に応えたケイゾウの「ロックするか死ぬかどっちかしてください!」というシャウトに「2019年、Rock or Die!Let’s Go Rock’n’ Roll!」と叫び観客の上に飛んだマーヤを、観客は嬉々として受け止め、「ニ・シ・ノ・ミ・ヤ」コールを響かせた。

本日1月13(日)にキングブラザーズは地元西宮のアイリッシュパブにて、新年を祝うライブが行われる(sold out)。
一方リムプレスは、渋谷ギャラリー・コンシールにて13:00ー19:00、当サイトの開設1周年を記念して、DJ&取材成果の展示イベントを開催します。岡部智子によるキングブラザーズ写真展示、平川啓子によるeastern youth, Co/SS/gZ(コーパス・グラインダーズ)写真展示も行います。1日限りの開催ですが、お近くにいらした際は、ぜひお立ち寄りください。

▼タイムテーブルはこちら
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13:00 OPEN / 展示&物販
14:00 START

   【DJタイム】
14:00 – 15:00 Paula
15:00 – 16:00 増田ダイスケ
16:00 – 17:00 花房浩一
17:00 – 18:00 DJおじいちゃん(吉野寿 from eastern youth)

19:00 CLOSE
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【LIM PRESS NEWYEAR MEETUP】

Text by Tomoko Okabe
Photo by Tomoko Okabe