ポップであれ、強くあれ
O-EASTはお客さんで埋め尽くされていた。来日公演が全ソールドアウトと伝えられたSuperorganismは現在の勢いが始まる前の空気からも感じられる。
19時10分ころ、この日のスペシャルゲストとしてCHAIが登場する。配信で聴いていた以上に低音がしっかりしていて足腰しっかりした人たちが存分に遊び回っている印象である。
楽しそうなバイブはどんどん伝わってきて、カイリー・ミノーグの”I Should Be So Lucky”やABBAの”Dancing Queen”を替え歌にした自己紹介には盛り上がったうえに、そこから”N.E.O.”へなだれ込んでいったのは圧巻。明るい未来が広がっているすばらしいバンドだった。
Set list
1.ボーイズ・セコ・メン
2.あのコはキティ
3.自己紹介
4.N.E.O.
5.クールクールビジョン
6.フライド
7.フューチャー
セットチェンジ中は、ディーヴォ、アレサ・フランクリン、アリアナ・グランデ、ローリング・ストーンズと統一感ない曲が流れる。
20時を過ぎたころバンドが登場する。オロノ以外はラメ? 光り物のフード付きコートを着ている。キーボードのエミリー(男)、ギターのハリー、ドラムのトゥーカンの演奏陣と、ルビー、B、ソウルのコーラス&ダンス陣の間に挟まれた感じのオロノの存在感がすごい。野口オロノ、19歳・埼玉出身、英語で歌い、MCでは英語と日本語で毒づくシンガーだ。
“SUPERORGANISM”でライヴは始まり、次の”Night Time”で、オロノは「プッチュアハンズ! 手を挙げて! 2階も!座ってるんだからできるだろ!」と手を挙げさせてオロノに合わせて手を左右に振ると「日本人だよねー」と横並びが大好きな日本人へ皮肉の一撃をかます。
MCで「『オロノちゃん』っていうのマジやめろ。失礼だよね、そういってくるのはオッさんばかり。小学生に見えるけど19歳だからね」と語ったところに客席から「オロノちゃーん」と声がかかり、「てめぇぶっ殺すぞ! 呼ぶならオロノか、オロノさんか、野口さんか、社長!」といい放つ。オッさんになると、これくらいの毒は、初期エレファントカシマシとかを思いだし、懐かしいくらいなのだ。
ステージ背後の大きなスクリーンには、ロバートによる映像が映しだされる。いろんなものをコラージュしたような映像でプロモーションビデオにあるような世界をみせてくれた。
配信の音を聴くとローファイ的な脱力した感じなのかなと思ったけど、CHAIと同じく足腰のしっかりしたファンクな感じもあり、つかみどころのない魅力を放っている。”NAI’S MARCH”では、緊急地震速報音のサンプリングをちゃんと抜いてくれたのはよかった。あれをトラウマに思う人は多いし。しゃがんてからのジャンプとか会場を盛り上げることも一通りやって”Everybody Wants to Be Famous”で本編終わる。
アンコールは、”Something for Your M.I.N.D.”でCHAIのメンバーも登場して踊りまくる、イルカかシャチのビニールフィギュアが客席に3頭くらい投げ込まれる、客席からノリのよさそうなお客さんを引っ張り上げて躍らせる、と好き放題やって、曲が終わるとスティーヴィー・ワンダーの”Isn’t She Lovely?”が大音量で流れ、メンバーはそれに合わせて踊りながらステージを去っていった。
Set list
1.SUPERORGANISM
2.NIGHT TIME
3.IT’S ALL GOOD
4.NAI’S MARCH
5.NOBODY CARES
6.REFLECTIONS
7.PRAWN SONG
8.RELAX
9.FAMOUS
encore
M.I.N.D