FEVER 333 | 東京 恵比寿LIQUIDROOM | 2019.03.05

3! 3! 3! 3! 3! 3!

フジロック3日目、FEVER 333のライヴが終わり、ホワイトステージのスクリーンに「2019年3月 単独来日公演決定!」という文字が映しだされたときから、この日をずっと待っていた。その間に新しいアルバムがでて、グラミー賞にノミネートされ、恵比寿リキッドルームは売り切れて、大阪で熱いライヴをして、その夜なのか翌朝か、いつ移動したのかわからないけど、朝には東京のテレビに出演して、夜になっていよいよ恵比寿リキッドルームでライヴだ。

フロアは満員。暴れたくてウズウズしている人たちの熱気で会場はすでに暑い。始まる前には、戦前くらいの録音と思われるフォークソングが流れている。そこに流れているBGMとしては似合わないけど、クールダウンの意味があるのだろうか。

19時10分頃、バンドが登場する。フロアから一斉に「3(スリー)! 3! 3!」と大合唱。ヴォーカルのジェイソン・エイロン・バトラーはフジロックやTV出演のときと同じように黒い頭巾を被っている。ドラマーのアリック・インプロタ、ギターはステファン・ハリソンの3人組である。まずは”Burn It”から始まる。ステージ前は激しく、モッシュが起きてクラウドサーフをおこなう人が続出した。サビでは合唱が起きたし、ステファンが手を叩くとフロアも手拍子で応じる。

ジェイソンとステファンはステージからダイヴするし、ジェイソンは脚立を用意して登る、ステージの幕を閉める、照明を手にして客席に向ける、フロタムに穴空けて頭突っ込むなど、やりたい放題。一方で、「未来のためによい選択をしよう」と語ったり、出演したテレビ番組で何かを壊したらしく謝ったり、ステファンの家族を紹介したり、そこはかとなく好青年の雰囲気が漂う。

攻撃的なギターと迫力あるドラム、言葉を叩きつけるようなヴォーカル。ヒップホップであり、パンクであり、メタルでもある。ステージの上でもフロアでも暴れるための音ではあるのだけど、曲中にメロディアスなパートがあって、”Made an America”でもサビでは大合唱になるし、”Inglewood”ではテンポ抑え気味な曲でジェイソンが歌い上げて美しいバラードとして聴けるのだ。

ジェイソンのヒューマンビートボックスとアリックのドラムソロのバトルもかっこよかったし、アンコール2曲を含めての1時間弱が全然短く感じず、濃密な時間を過ごしたのだった。

終わっても歓声は止まず、次への期待も膨らんでいくライヴだった。またフジロックで観たい、そのときはステージ前に詰めかけて親指と人差し指で輪を作り中指、薬指、小指で「3」を表現した手を上に掲げて「3! 3! 3!」と叫ぼう。

<SET LIST>

Intro
Burn It
We’re Coming In
Made an America
Animal
Beatbox / Drum Solo
One of Us
Inglewood
Coup D’Étalk
Out of Control
Hunting Season

Encore:
Only One
The Innocent

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Text by Nobuyuki Ikeda
Photo by Teppei Kishida