KING BROTHERS | 大阪 十三Fandango | 2019.03.30

本物だけを見た夜

キングブラザーズが3月25日(月)から 3月31日(日)まで十三ファンダンゴで開催されたロストエイジのイベント”7″の6日目に登場した。同世代、同時代を、同じ関西を拠点に活動するもの同志とあって、開演前からフロアの期待は膨らんでいた。

久々に聞く”ACTION!!!!”から、バンドは加速していく。「さあ今夜もパーティを始めよう」と歌うケイゾウ(Vo/G)にマーヤ(G/スクリーム)のスクリームが差し込まれると、ケイゾウは背面でギターを弾きながらステージを降り、フロアの中央で客を煽った。間髪入れず、マーヤがボーカルをとる”GET AWAY”、畳み掛けるナンバー、訴え続けるケイゾウのシャウトの度にフロアから歓声があがる。

どの時代のナンバーも新たなビートに昇華させているゾニー(Dr)に加え、最近のケイゾウとマーヤのギターの在り方の変化も興味深い。べースレスバンドといえばThe Goriesのようにシンプルに軽さを打ち出すバンドもあれば、Japandroidsのように1本のギターに幾つかのアンプを繋げ、厚みを持たせるバンドもいる。今のキングブラザーズの場合、リードギターとリズムギター、低音域と高音域、それぞれ役割分担は明確ではなく、局面ごとに音色のメインどころが二人のあいだを行き来し、独自の重さとグルーヴを生み出してている。

ケイゾウが笑顔でMCを挟んだ後、演奏された”ロマンチスト”もそんな1曲だった。and young. . .の加納良英に歌詩を提供してもらった、彼らには珍しいスローな楽曲だ。ベースレスでのアレンジは重量感たっぷりの低音ギターに、センチメンタルな青さを乗せたメロディラインがストレートに伝わる、最新の楽曲に引けを取らない光彩を放っていた。

そして”ルル”から終盤にかけては手加減なしの怒涛の3曲がフロアをかき回す。ロックンロールアイコンとしてのマーヤを中心に、会場全体に広がる爆発的な初期衝動もキングブラザーズの魅力であることは言わずもがなだ。

20年目を越えた今、3人が生み出す唯一無二の音像に触れるワンマンライブ東京編が、4月18日下北沢シェルターにて行われる。五感を研ぎ澄ませライブに臨んでほしい。

 

『SHELTER ONEMANLIVE 2019』 in 東京編
場所 : 東京 下北沢シェルター
日時 : 4月18日(水) 19:00 open 19:30 start
料金 : キングブラザーズ オフィシャル web 先行価格 3000円 (1Dr別)
一般プレイガイド前売 3500円、当日券発売未定
発売日 : キングブラザーズ・オフィシャルweb先行発売中
各プレイガイド発売中

▼『写真集『KING BROTHERS』発売記念写真展 &
トークイベント in 浅草Cafe & Bar QuluQulu、浅草Buttobi』

【写真展】
場所:浅草Cafe & Bar QuluQulu 東京都台東区西浅草2-8-7 TEL:03-6875-3896
日時:
4月13日(土)~4月19日(金) :日〜木12:00 – 19:00 金土12:00 – 22:00
   定休日:月曜日
料金:
観覧無料(カフェ・バーですので、お一人様1点以上のご注文をお願いします)

【写真展&トークイベント】
場所:浅草Buttobi 東京都台東区西浅草2-12-10 (https://www.asakusabuttobi.com) TEL:03-6231-7932
日時:
4月19日(金) 18:00 open 19:00 start
料金:1000円(1Drink別)
発売日:浅草Cafe & Bar QuluQulu店頭にて販売中(キングブラザーズ・オフィシャルweb先行完売)

 

<SET LIST>
1.ACTION!
2.GET AWAY
3.☆☆☆☆
4.No Thanks
5.ブチかませRock ‘n’ roll
6.Break On Through
7.No! No! No!
8.ロマンチスト
9.Sympathy For The XXXXX
10.ルル
11.魂を売り飛ばせ!
12.マッハクラブ

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Text by Tomoko Okabe
Photo by Tomoko Okabe