リンダ&マーヤ | 大阪 十三ファンダンゴ | 2019.05.12

アクションを起こしていく事がロックンロール!

ステージの上では「笑顔でいる必要なんてないさ」と歌いギターを弾きながら顔を見合わせて笑っている二人がいた。2015年に無期限活動休止した、N’夙川BOYSのリンダとマーヤだ。先日福岡で開催され大盛況に終わったボタヤマオリンピック大阪編が5月12日、大阪十三ファンダンゴで行われた。午前中から始まった長丁場のイベントが終盤に差し掛かった19時頃、Drに和田晋侍を従え、リンダ&マーヤはステージに現れた。

「1曲目にかけてるんだぜ!愛と誠!」と叫んだマーヤが歌い、リンダは笑顔でギターを鳴らしている。マーヤは客に前のめりに突っ込んでいき、客に掲げられると「愛と誠のせい?」という歌詞を「ボタヤマオリンピックのせい?」と観客に歌わせ、どんどん会場を巻き込んでいく。

N’夙川BOYSではメンバーの気分で担当楽器を交代するスタイルだったが、リンダ&マーヤでは、ギターとボーカルに徹し、確固としたビートをDMBQ、DODODO BANDでも活動している和田晋侍が支えている。

続く「人生はLo-Fiだ」は二人が交互に歌う。このままNHKの『みんなのうた』で流れてもおかしくないポップさだ。甘く抜けのいいリンダの声は耳に心地よく、それでいて真っ直ぐ一直線に観客の心を射抜いていく。

それにしてもメロディと歌詞の一体感には驚かされる。「人生はLo-Fiだ」も次に演奏された「たかがAction」の1度聞いただけで耳にいつまでも残るフレーズは、つい合わせて口ずさみたくなる。リンダ&マーヤの全ての曲と歌詞はマーヤによるもの。メロディメーカーであるマーヤの、日本語とメロディを巧みに操る才能は、忌野清志郎に通じるものがあると感じるのは筆者だけではないだろう。難解な言葉を使わずとも、いとも簡単に聴くものの胸の扉を開けて風通しを良くしていく。ライブ後には『アクションを起こしていく事がロックンロール!』という本曲のテーマにもみられる二人からのメッセージに励まされ、多幸感であふれていた。

リンダ&マーヤは、パルコ50周年のテーマソングに“50′ Youth”を書き下ろし、映像が公開されたばかりだ。N’夙川BOYSを経て再び歩み始めたリンダ&マーヤが、新しい時代に、沢山の風穴を開けてくれることだろう。

▼公演情報
5月18日 広島 SUMATRA TIGER
5月19日 福岡 public bar Bassic
6月01日 大阪 谷9LGT
6月11日 神戸VARIT.


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Text by Tomoko Okabe
Photo by Tomoko Okabe