「新人バンド」として
今回のデデマウスは、バンド編成でがっつり新譜『dream you up(ドリーム・ユー・アップ)』から演奏するというスタイルだった。20時過ぎ、まずドラマーの山本晃紀(LITE(ライト』)がでてきて、ドラムソロをおこなう。続いてベーシストの雲丹亀卓人(SAWAGI(サワギ))がドラムとリズムを合わせていく。雲丹亀と同じバンドにいる観音がギターを弾いてしばらくジャムって、最後にデデマウスこと遠藤大介が現れた。
配信された音源と比べ、バンド編成ならではの迫力がある。キラキラしたポップでドリーミー感覚よりも、重低音がしっかりしてフロアが踊るような仕様になっていた。過去に自分が観たデデマウスのライヴでは、生の楽器を加えてライヴ感をだしてアグレッシヴになっているけれども、今回はその集大成に思えた。遠藤は「ライヴを重ねていけばバンドとして固まっていく」というようなことをMCでいっていたけど、今回の編成は音のバラエティを拡張させるとかでなく、バンドをやる喜びがまず伝わってくる。
そのため、新譜でエレクトロニカやEDMぽいところがロックとして聴けて、かつダンスミュージックとして機能するという絶妙なところを突いてきて、さすが10年もやっていれば練られてくるよなぁと思ったら、遠藤はMCで「僕たち新人バンドです」と話し、ライヴが終わるまで一応、新人バンドという設定を守って、いつものライヴのように長い長いMCをしていた。
そして今回は、音と連動した映像を使わなかったことである。自分は『スカイ・ワズ・ダーク』発売時のライヴが大好きだった。そのときのライヴで自分の馴染みのあるところの映像がスクリーンに映しだされていたこともあり、多摩ニュータウンを旅しているような感覚が自分にしっくりきた。しかし、代官山ユニットにスクリーンがあるにも関わらず、映像を映しだすことはなかった。ステージにはレーザー光線を照射する装置とLEDらしき照明が、会場備え付けの照明装置の他に置かれていた。さまざまな色に変化するレーザー光線が縦横無尽に会場を跳ねまわり、光の線と粒が壁に当たって反射し、同じく様々な色に光るLEDライトと共に美しさに陶然とした。映像無しでもデデマウスの音楽が十分表現できることが証明された。
本編最後は「get you back(ゲット・ユー・バック)」だった。音と光が一体となった表現の、現在においての完成をみることができた。アンコールはAnamanaguchi(アナマナグチ)というニューヨークのグループとコラボレーションした「pump it up(パンプ・イット・アップ)」をひとりでプレイする。そして2度目のアンコールでは再びバンドと共に登場して「dancing Horse On My Notes(ダンシング・ホース・オン・マイ・ノーツ)」を演奏する。この日唯一過去作から演奏された曲だった。遠藤はキーボードを持ち上げブースの上に登っての熱演。フロアも当然ながら最高潮に盛り上がり、これから続くツアー、そしてフジロックが非常に期待できるライヴとなった。
5月01日(月) 仙台enn 19:00/20:00
5月05日(金) 札幌DUCE 17:30/18:00
5月11日(木) 広島Club Quattro 17:00/18:00
5月12日(金) 大阪・心斎橋CONPASS 19:00/19:30
5月13日(土) 名古屋 Club Rock’n Roll 18:00/18:30
5月14日(日) 横浜 LANDMARK HALL 17:00/18:00
5月26日(金) 京都 CLUB METRO 19:00/19:30
5月27日(土) 岡山 hoshioto 2017出演 17:00/17:30
5月28日(日) 富山 MAIRO 17:00/17:30
6月02日(金) 福岡 VOODOO LOUNGE 19:00/19:30
6月03日(土) 沖縄 OUTPUT 21:30/22:00
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