民族音楽の鼓動が、無意識に身体を動かす
新潟で活動するGOOFY KINGLETS(グーフィー・キングレッツ)は、ケルトやアンデス、ウイグル音楽などの民族音楽を基調としながら他要素も取り入れる5人組のインストゥルメンタルバンドだ。東京でのライブはもちろん、2018年は台湾でのイベントにも出演した。
そんな彼らが毎年開催している自主企画が『PANTANAL(パンタナル)』というイベント。彼らと交流のある新潟バンドはもちろん、東京からゲストバンドも出演。他にもフードや雑貨屋も出店し、まるでひとつのお祭りのようなイベントである。今回はそんな彼らの自主企画イベント「PANTANAL」から主催であるGOOFY KINGLETSのライブをレポートする。
イベントは23時のDJからスタート。23時半にライブのトップバッターとしてGOOFY KINGLETSが壇上へとあらわれた。深夜の開催にもかかわらず、ライブが始まる前にはフロアが埋め尽くされるほど多くの観客が入っていた。
深夜の23時半。ほぼ定刻通りにメンバーは壇上へとあらわれ、そのまま1曲目”AREQUIPA”が始まった。イベント自体は23時スタート。30分間のDJを経て、最初に出演したバンドが主催のGOOFY KINGLETSだった。にも関わらず、フロアには埋め尽くされるほど多くの観客が入っていた。
ステージを見ると5人以上のメンバーがいる。後のMCで知ったが、なんとこの日のライブから、7人編成となったとのこと。いつもより音の数が多く、細かな音まで演奏されているように感じた。音の重圧が強く、ドラム・ベースの安定したリズムがギターなどのメロディーをしっかりと支えている。
3曲目の“BEOGRADE RUSTLER ”では、「今日はスペシャルゲストが来ています!THE RODEOSから菊地太樹!!!」と紹介され、THE RODEOSのボーカル菊地太樹がステージへと入ってきた。曲が始まると、ステージぎりぎりまで出てきて歌い、叫ぶ。そこにTHE RODEOSらしい男臭さも加わり、いつも以上にお祭り騒ぎ。ボーカルがメインになることが少ないバンドだが、力強いボーカルが加わると一層民族音楽を彷彿とさせた。そして「朝まで楽しもうぜ!」と残し、菊池はステージを去っていった。
続くは、テンポの速い“ZAC AND POOR TRAVEL”。何度も聞いた曲だが、この日は笛の数が多いからか、いつもよりも音が厚い。CDとは異なるアレンジに観客は歓声をあげて楽しんでいた。印象的なシンセサイザーのメロディから始まった最後の“PHANTOM”では、メンバーも観客も音楽に身を任せ、身体を揺らしながらその時を全力で楽しんでいた。
いつ聴いても踊りだしたくなる曲、いや、彼らの曲はどの曲を聴いてもつい身体が動いてしまう。それは民族音楽が私たちの血に入っているからなのか、それともグーフィーだからこそなのか。ライブ中に取っていたメモ書きには「あー!楽しい!」と何も役に立たないメモが残っていた。きっとそのときの気持ちを言葉で表現する前にそのままの気持ちを残しておきたかったのだろう。それだけ言葉に言い尽くせないほどの楽しいライブだった。
<SET LIST>
1.AREQUIPA
2.BLUE OF CAJAMARCA
3.BEOGRADE RUSTLER
4.ZAC AND POOR TRAVEL
5.PURIMUY
6.PHANTOM