ALVVAYS | FUJI ROCK FESTIVAL | 2019.07.27

テン世代最高のギター・ポップ

昨年11月行われた初の日本公演を大成功におさめたカナダ・トロント発のギター・ポップバンド、オールウェイズ。ザ・ヴァセリンズやベル・アンド・セバスチャンを彷彿とさせるギタポ感は決して単なるオマージュではない。若者らしい蒼さに愛しさを覚えるデビュー・アルバム『Alvvays』、浮遊感やノスタルジーの質度がより高まったセカンド『Antisocialites』。すでに完成形なんじゃないかと言っても過言ではない彼らの世界観。

この日のライブは、そんな彼らの8年の活動を凝縮したものだった。温かくて、優しくて、懐かしくて、何だか胸がギュッと締め付けられる感情しか生まれてこない、彼らの魅力である「浮遊感とノスタルジック」を存分に味わえたライブだった。そして、そのライブで生まれた感情をより大きくしていたのは、セットリストにかかっていた絶妙なグラデーションだった。それは曲ごとに単色系の強めなライティングの効果もあるだろうが、もちろん彼女たちの楽曲群の持つちょっとした色味の違い(グラデーション)にも起因しているはずだ。

Text by Shuhei Wakabayashi
Photo by Ryota Mori