STELLA DONNELLY | FUJI ROCK FESTIVAL | 2019.07.28

アーティスト性と可愛らしさ満開のステージ

オーストラリア出身のシンガー・ソングライターであるステラ・ドネリーは、#MeToo のマスターピースとして賞賛を受けた“Boys Will Be Boys”で初めて注目を集めた。さぞかしアーティスト然とした人なのかなと思ったが、全くそんなことはなかった。陽気にはしゃぎながら登場したと思ったら、レッドマーキーの大勢の客に照れたりと、なんともピュアな女性だった。しかし、その音楽は超本格派。

序盤の“Grey”、“U Owe Me”、“Beware of the Dogs”と続くアコースティック・セクションから一転、彼女の代表曲でもある“Boys Will Be Boys”や“Lunch”も含めたバンド・セクションでは彼女の素の表現力が活き活きとした形で露わになり、深く脳裏に焼き付いていった。

リリー・アレンを彷彿とさせる可愛さと憂いの同居した歌声と、艶のあるギターピッキング、そしてその類稀なる存在感に、さらなる飛躍への期待が膨らんだ。

Text by Shuhei Wakabayashi
Photo by Ryota Mori