eastern youth | 山口 WILD BUNCH FEST. | 2019.08.24

自らの尊厳、高らかに

8月24日、eastern youthが山口県の山口きらら博記念公園で開催中のフェスティバル、WILD BUNCH FEST. 2019、2日目に出演した。

前日の日中は快晴だったが、この日は朝から曇り。eastern youthの出演時間の1時間前に軽く雨が降ったが、どうにか持ち直した。

サウンドチェックでは、この日のセットリストにない“故郷”を演奏した。早くからステージ前で待っていて、その様子を見られた人たちは運がいい。出演時間の13時になり、吉野寿(Gt/Vo)、村岡ゆか(Ba)、田森篤哉(Dr)が再びステージに登場。1曲目は”夏の日の午後”。屈指の代表曲からのスタートに、メインステージの方角から観客が向かってくるのが見える。続く”砂塵の彼方へ”もフェス自体の客層が若いせいもあってか、反応がとてもよい。野太い声援も飛び、吉野は「Calm down, Calm dawn…まあ、落ち着け」と返す。

「休憩タイムです。芝生に寝転んだりして観ると、楽しいですよ」

気迫全開の鋭い演奏と一転して、吉野は和やかに観客に語りかけ、ゆっくりとギターを奏でる。

「どこの仲間にも入れねえ、誰の仲間にもなれねえ。それがどうした。どう生きようが、誰かにどうこう言われる筋合いはねえんだ」

ワンフレーズを弾き終えると、きっぱりした口調で語り、観客の歓声とともに”ソンゲントジユウ”が始まった。この日出演したステージ、Tube ridingは会場のいちばん奥にある。他のアクトのフェスならではの盛り上がりとは一線を画し、群れることを良しとせず、自らの尊厳を高らかに歌う吉野の姿に背筋が伸びる思いがする。

曇り空の下、青空に思いを馳せながら聴く“青すぎる空”。最後の吉野の独唱「いずれ暮らしの果てに散る」が周辺一帯に響くと感嘆の歓声と拍手が沸き起こる。ラストは”夜明けの歌”と”街の底”。息をもつかせぬ流れが素晴らしい。

35分間のなかに、eastern youthの凝縮したエッセンスが詰め込まれた熱演だった。吉野が「ありがとう、また会う日まで。さよなら!」と終わりの挨拶を述べると、観客は盛大な拍手で3人を見送った。

<SET LIST>
01.夏の日の午後
02.砂塵の彼方へ
03.ソンゲントジユウ
04.青すぎる空
05.夜明けの歌
06.街の底


<eastern youth 日比谷野外大音楽堂公演 開催概要>
2019年 9月28日(土) 日比谷野外大音楽堂
開場 16:45 / 開演 17:30
※雨天決行・荒天中止
前売:¥4,500(全席指定) / ペアチケット:¥8,000(全席指定) / 立見:¥4,000
※未就学児童は保護者同伴に限り入場可(小学生以上はチケット必要)
※未就学児童でも座席が必要な場合はチケットが必要です。
詳細: https://smash-jpn.com/live/?id=3150


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Text by Keiko Hirakawa
Photo by Keiko Hirakawa