Attractions | 福岡DRUM LOGOS | 2019.10.22

『未来』を約束するツアーファイナル

地元・福岡を活動の拠点としているAttractionsはTARO(Vo)、TAKE(Gt)、JUN(Ba)、AKIRA(Dr)から成る4人組バンドで、エレクトロ要素を取り入れた90年代のUKギターロックに影響されたサウンドを奏でる。2016年の結成から福岡のクラブシーンでその存在感を徐々に増していき、昨年にはSXSWやサマーソニック、福岡のサンセットライブには2年連続で出演するなど、国内外で評価を高めている。

1st single『Satisfaction』のリリースに伴って行われた今回の東名阪福ツアーは、今夜の福岡でファイナルを迎えた。「Attractions “Satisfaction” Tour with Guest」と銘打たれた今回のツアー、東京ではAAAMYYY(エイミー)とBlack Boboi、名古屋と大阪ではNewspeakをゲストに迎えての対バンだったが、福岡公演のゲストは、こちらも今年のサマーソニックに出演し、今、日本でも注目の集まる韓国のバンドSE SO NEON(セソニョン)を迎えた。地理的な近さから”アジアの玄関口”とも言われる福岡での公演らしいブッキングだ。心地よいグルーヴでSE SO NEONがフロアを揺らした余韻を引き継いで、Attractionsがステージに立った。

TARO(Vo)の「福岡、ただいま。」「Are you ready?」の掛け声に観客が呼応するのと同時に、1曲目”Knock Away”、続いて”Leilah”へとなだれ込む。2曲とも、今年のサンセットライブでも会場を大いに沸かしていたキラー・チューンで、会場のボルテージが一気に上がる。

5曲目の”Rock’n the Weekend”終わりにTAROが今回のツアーについて語りだした。

「名古屋、東京、大阪とやってきて、やっと福岡に戻ったけど、(先に演った)SE SO NEONのライブを観てて思ったのが、福岡のお客さんが一番温かいな、って」という言葉に歓声が起こる。続いて、「次は新曲で、(人前で)初めて演ります」と聞いてさらに大きな歓声が。そこでTAROが少しバツが悪そうに「で!ごめんなさい!全く歌詞を覚えてないのでカンペ見ていいですか?」と携帯を取り出した姿に温かい笑いと新曲への期待感の歓声が入り交じる。きっとこの地元のお客さんとの信頼感があるからこそ、メンバーも安心して新曲をここでドロップできたのだろう。初見の曲にも関わらず、心地よく体を揺らすオーディエンスに手応えを得たのか、曲の中盤で、TAROは手にしていた携帯を放り投げた。

メロウなナンバー、”Man on the Moon”ではサポート・メンバーのNANA(Key)が柔らかな声を響かせる。ライブ全編を通してだが、NANAの声とキーボードは、骨太なダンス・ロック・ナンバーがベースのAttractionsの楽曲にキラキラとした彩りを与えていた。

本編が終わり、アンコールの声に押されて再びステージに戻ったメンバー。この日最後の曲、”Future”の演奏前に語られた福岡への愛、福岡のクラブシーンやカルチャーへの思い。その全てを背負って”ココ”から音楽を発信し続ける、そんな『未来』を約束してくれるようなライブだった。

<セットリスト>
01.Knock Away
02.Leilah
03.Baby Relax
04.Hazy Boy
05.Rock’n the Weekend
06.Shuffle(新曲)
07.Satisfaction
08.Man on the Moon
09.Instant Jam
10.Daydream Moonrise

アンコール
11.Future

<ライブスケジュール>

2019.11.10 (日) Sunrise In My Attache Case 「Fireworks Tour 2019」 熊本 Django
2019.12.12 (木) Mellow Youth 1st EP「    」Release Tour 心斎橋 Pangea
2020.1.10(金) JANUS fabulous 心斎橋 JANUS

Text by Toru Suguta
Photo by Toru Suguta