NITRODAY | 東京 SHIBUYA CLUB QUATTRO | 2019.12.08

気負いなく、てらいなく

eastern youth主催の「極東最前線」に登場したNITRODAY。2016年に結成、19歳〜20歳の男女から成る4人組ロックバンドだ。今年10月にミニアルバム『少年たちの予感』をリリースし、11月にはbetcover!!とのツーマン・ツアーで横浜、大阪、名古屋、東京を巡った。今回はそのツアーの客層より20歳くらい上の年齢層の観客の前で演奏することとなる。

A Flock of Seagullsの”Space Age Love Song”をバックに、ステージにメンバー4人が登場。小室ぺい(Gt/Vo)が「NITRODAYです、よろしく」と第一声を発し、”ボクサー”からスタート。2曲目の”ジェット”で加速度を増し、終われば小室はeastern youthの吉野寿(Gt/Vo)が51歳、小室が19歳で32歳差であることに触れて「ステージに上がったら歳なんて関係ないでしょ」と、てらいなく言ってのける。

“ヘッドセット・キッズ”では松島早紀(Ba)のボーカルが重なり、響きに彩りが増す。”アルカホリデー”から”シーズン”への流れでは、キャッチーなメロディーに、岩方ロクロー(Dr)のパリッと小気味よいドラムが効いている。随所でやぎひろみ(Gt)のノイジーなギターに魅了され、小室とやぎのギターが中心となった混沌とした轟音も美しい。

「なかなかないですよ、こんなライブ。光栄です、ありがとうございます」と小室が感謝を述べると、フロアから大きな拍手が返ってくる。「しっかりと日本のロックを引き継いでいきたいなって思ってます」と飾らない口調で強い意志をさらりと語る。実力派アーティストが名を連ねる「極東最前線」のゲストを張るにふさわしい自信も垣間見せる。

松島の瑞々しいコーラスをフィーチャーした”フライマン”、激しさを増す小室のシャウトに圧倒された”レモンド”でクライマックスを迎える。小室の「今日のことはずっと忘れない。すげえうれしいです、ありがとう」のMCから、ギターの弦が切れるほどの熱演を見せた”ヘブン”でラスト。フロアにいつまでも消えない余韻を残した。

4人とも気負いのない佇まいにもかかわらず、観ている者の中に眠るパッションを呼び覚ますような、鮮烈な40分だった。今後も各地のイベント出演が続くNITRODAY。小室の20歳の誕生日となる2020年1月12日には、新代田FEVERにて自主企画シリーズ「ヤングマシン」の第4回目を開催する。見逃せない一夜となるだろう。

<SET LIST>
01.ボクサー
02.ジェット
03.ヘッドセット・キッズ
04.アンカー
05.アルカホリデー
06.シーズン
07.フライマン
08.レモンド
09.ヘブン

オフィシャルサイト:https://www.nitroday.com

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Text by Keiko Hirakawa
Photo by Keiko Hirakawa