TRAVIS『The Invisible Band』の世界観を堪能する時間

スコットランド・グラスゴー出身の4人組ロック・バンド、トラヴィス。5年ぶりの来日公演は、彼らの人気をより確固たるものにした2001年発売のサード・アルバム『The Invisible Band』の完全再現ライブだ。本作品は前作『The Man Who』に引き続き大ヒットを果たし、全世界で300万枚のセールスを記録、彼らの人気を確固たるものにした。この記事では今回の来日公演の注目ポイントをコンパクトにご紹介していこうと思う。

『The Invisible Band』の作り込まれた世界観を堪能しよう

本作のプロデュースは前作から引き続きナイジェル・ゴッドリッジ(レディオヘッド、アトムス・フォー・ピース、ザ・スマイル、ポール・マッカートニー、ベック、アーケイド・ファイアなどをプロデュース)が務めていて、デビューアルバムから本作までの3作品の中で「最高、そして最も完全に作り込まれた曲がある」と絶賛を受けた。それはアルバムを通して聴けば一目瞭然、捨て曲が全くないのである。ライブにおける定番曲である“Sing”、“Side”、“Flowers In The Window”はもとより、“Safe”、“Pipe Dream”、“Follow The Light”、“The Humpty Dumpty Love Song”など、このアルバムに流れる緩やかで温かい曲線は心地よい時間を作ってくれるに違いない。“Flowers In The Window”に関して言えば、最近はずっとアコースティックで歌うスタイルが定着しているが、この再現ライブでは果たしてオリジナルのアレンジで聴けるのか?といったところも注目だ。

“Flowers In The Window (In Fuji Rock Festival ‘16)”

“Safe (Live on Later With Jools Holland)”

“The Humpty Dumpty Love Song”

あと「シングルのカップリング曲は演るのか?」というのも気になるところである。“Sing”のシングルのカップリングで収録されていたベースのダギー・ペインがボーカルを取る“Ring Out The Bell”などは幾度かライブでも演っているし、同じくカップリングのギターのアンディ・ダンロップが歌う“You Don’t Know What I’m Like”なんかもライブで聴けたら胸アツものだ。

“Ring Out The Bell (at Nagoya Diamond Hall)”

“You Don’t Know What I’m Like”

完全再現ライブの後はグレイテスト・ヒッツで盛り上がろう

完全再現ライブは二度美味しいというのが定番だ。前半にアルバムの完全再現をし、後半はグレイテスト・ヒッツなセットリストで盛り上げる。先日行われたプライマル・スクリームのスクリーマデリカ・ライブ(『Screamadelica』完全再現ライブ)でも、後半は“Rocks”や“Country Girl”などが演奏されており、今回もおそらく例外ではないと思われる。

このパートの問題は「どの曲をやるのか?」に尽きるだろう。ファンとして絶対に聴いておきたいのは“Turn”、“Writing To Reach You”、“Closer”、“Driftwood”、“Selfish Jean”あたりだが、ここは敢えてアクセントになるような曲を期待したい。筆者が予想するのはその振り付けが印象的な“Magnificent Time”だ。

“Magnificent Time (at Lima Perú)”

この曲で会場をパッと明るい雰囲気にしてからの“Why Does It Always Rain On Me?”とか最高じゃないか?屋内会場なので中に雨は降らないが、頭の中で2008年のフジロックの時のように雨に打たれているシーンを想像しながら、皆でジャンプして、(心の中で)シンガロングできたらもう最高に決まっている。

“Why Does It Always Rain On Me? (Live In T in the Park 2013)”

最後に、メンバーからの最新メッセージを見て、当日を楽しみに待とう。

メンバーからのメッセージ

公演情報

10月11日(火)大阪 なんばハッチ
OPEN 18:00 / START 19:00
1Fスタンディング / 2F指定席
前売り¥8,000 (ドリンク代別)
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10月12日(水)名古屋 ダイアモンドホール
OPEN 18:00 / START 19:00
オールスタンディング
前売り¥8,000 (ドリンク代別)
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10月14日(金)東京 EXシアター六本木
10月15日(土)東京 EXシアター六本木 – SOLD OUT
OPEN 18:00 / START 19:00
アリーナ・スタンディング / スタンド・指定席
前売り¥8,000 (ドリンク代別)
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Text by Shuhei Wakabayashi
Photo by  LIM Press