朝霧JAM 2019〜富士の麓で世界周遊旅行〜

今年19回目の開催となる朝霧JAM 2019まで、いよいよあと1ヶ月を切った。「ロケーションが素晴らしい」とか「フジロックとはまた違ったゆったりした時間が流れている」とか、周りの人から体験談を聞くだけで、初めて参加する筆者はソワソワしつつも楽しみでいっぱい。子連れで行くのもいいだろうな〜なんて妄想も膨らむところだ。

さて、ラインナップを眺めてみて真っ先に思ったのが、「国際色豊かだなあ!」ということ。そこで、ロケーションや現地での楽しみ方は他の記事に譲るとして、今回は国別に注目するアーティストをピックアップして紹介していきたい。時間帯がかぶるところが多々あるのも悩ましいところだが、ワクワクの補助線としてもらえれば幸いだ。

まず日本勢の中でも、ジャズやブラジル音楽のエッセンスを純日本的な歌謡に織りまぜる稀有なバランスを持ったシンガー、折坂悠太に注目したい。同じように多様なルーツをポップスに昇華したくるりceroとともに、富士山麓の国際色豊かな雰囲気を彩ってくれることだろう。そして、東京のストリートから始まり世界各国のレーベルから音源をリリース、逆輸入的に日本でも話題沸騰中の、幾何学模様の凱旋。今年のフジロックを沸かせたKhruangbinにも通じるようなサイケデリックなサウンドは、朝霧JAMの空気感ともよくマッチしそうだ。

アメリカに目線を移すと、今年の最重要アクトといっても過言ではないJAMILA WOODS(ジャミラ・ウッズ)がまず目を引く。曰く“シカゴの知性”、Chance the RapperやNonameとのコラボレートでも知られるR&Bシンガーは、充実の最新作『Legacy! Legacy!』をひっさげ2年ぶりの来日。エレガントで妖艶なその歌声と、深い洞察から自身の在り方を見つめる詩世界に酔いしれよう。そして、東京での初来日公演も即ソールドアウトし、人気沸騰中のカナダのエレクトロポップバンド、MEN I TRUST(メン・アイ・トラスト)も朝霧の地に初登場!気持ちよくゆらゆら踊ろうではありませんか。

折坂悠太

幾何学模様

JAMILA WOODS

MEN I TRUST

イギリスからはクラブシーンの最重要人物であり続けるアシッドジャズのキーパーソン、GILLES PETERSON(ジャイルス・ピーターソン)が2時間セットのDJとして登場。オンラインのラジオプラットフォーム<Worldwide FM>や、若手を発掘・支援するプログラム<Future Bubblers>など、DJ、プロデューサー、キュレーター、そしてレーベルオーナーとして世界中を駆け巡る彼の最新の一手は要注目。昨年のフジロックでの熱気あふれるステージを覚えている人も多いだろう。アイルランドの雄、HOTHOUSE FLOWERS(ホットハウス・フラワーズ)が、満を持して朝霧JAMに登場だ。今年のフジロックでは、ボーカルのリアム・オ・メンリィがROUTE 17 Rock‘n’Roll ORCHESTRAにゲスト参加。もはやフジロッカーズにはおなじみとなった彼らとともに、富士の麓がロックンロールの一体感に包まれる… 今からワクワクが止まらない!

ハンガリーからは、昨年の初来日公演も大好評だったBOHEMIAN BETYARS(ボヘミアン・ベチャーズ)が登場。自らをスピードフォークフリークパンクと名乗るその音楽は、東欧の哀愁漂うスケールの中、喜怒哀楽が目まぐるしく移り変わるハチャメチャ具合。これは絶対楽しいぞ…!

そして、今年のラインナップで最も異彩を放つのがTAMIKREST(タミクレスト)だ。トゥアレグと呼ばれるサハラ砂漠周辺で暮らす遊牧民を中心とするメンバーは、次々と起こる闘争に対して武器を使わず抵抗しようと楽器を手に取った。2017年の橋の下世界音楽祭以来となる来日では、一体どんなパフォーマンスを見せてくれるのか。反抗のデザートブルースを堪能したい。

GILLES PETERSON

HOTHOUSE FLOWERS

BOHEMIAN BETYARS

TAMIKREST

オーストラリアはメルボルンの奇才、HARVEY SUTHERLAND(ハービー・サザーランド)も目玉の一人だろう。各々の身体性を呼び覚ますような熱量を持ったシンセサウンドを、ソロのライブセットで一身に浴びる。想像しただけで身体が動き出しそうだ。そして、タイで今最も注目を集めているというドリームポップバンド、SAFEPLANET(セーフプラネット)も要チェック。柔らかい響きのハスキーボイスとみずみずしいギターが溶け合って、うっとりしてしまいそうな彼らのサウンド。きっと朝霧のロケーションともバッチリ調和することだろう。

最後に日本に戻ってもう少し注目アクトを紹介したい。気鋭のビートメイカーとして注目を集める2人がBIM&VaVaとして共演。様々なコラボレーションをしながら最前線で活躍する2つの個性がクロスオーバーすることで、どんな化学反応が生まれるのだろうか。大将こと日高正博氏肝入りのTHE ALEXXの、フジロックに続く第二声にも注目だ。そして、唯一のひらがな表記のポスターからして異彩を放つのは、ザ・ぶどうかんズ from シャキーン!。NHK Eテレの<シャキーン!>に登場する彼らは、なんと本邦初ライブ!片桐仁や、やついいちろう、中村佳穂やファンファン(くるり)からなる愉快な8人組のパフォーマンスは、2日目の朝をシャキーン!と立ち上げる最高の目覚ましとなること間違いなし。老若男女入り混じってわちゃわちゃするのが楽しみですね…!

HARVEY SUTHERLAND

SAFEPLANET

BIM

VaVa

もちろん他にも、傑作『Point』の再現ツアー中のCORNELIUSや、初日のヘッドライナーのHOT CHIP(ホット・チップ)、待望の新作も間も無くリリースされるPENGUIN CAFE(ペンギン・カフェ)など、楽しみなアクトはいっぱい。そして、朝霧JAM初体験の筆者としては、アーティストと並んでメインコンテンツと名高い、フードワークショップマーケットも楽しみなところだ。雄大な富士山を一望する広大な大地の下、ぜひぜひ乾杯しましょうではありませんか…!では、当日富士の麓で!

<開催概要>

It’s a beautiful day~Camp in 朝霧JAM

日程:2019年10月12日(土)〜13日(日)
会場:富士山麓 朝霧アリーナ・ふもとっぱら(静岡県富士宮市朝霧高原 周辺)

開場・キャンプ開始:10月12日(土)10:00〜
開演:10月12日(土)14:00〜
終演:10月13日(日)20:00 予定

詳しくは朝霧 JAM オフィシャルサイトにてご案内しております
朝霧 JAM オフィシャルサイト http://asagirijam.jp 

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Text by Hitoshi Abe
Photo by  LIM Press