TXARANGO | 朝霧JAM 2017 | 2017.10.08

カタルーニャの灼熱を今ここに

朝霧ジャム2017、2日目。フジロックに出演した2015年以来の来日となるスペインの自治州であるカタルーニャ州はバロセロナの国民的バンド、チャランゴがレインボー・ステージが登場だ。今年リリースされた新譜『エル・コウ・デ・ラ・ティエラ』(このアルバム、めっちゃいいんだから!)を引っ提げてのステージ。晴れ渡った空の下、続々と人が集まって来ている。ステージ周辺が、これから繰り広げられる激アツのステージへの期待で充満するのだ。

軽快なビートに合わせて総勢10名が順にステージに登場し一斉に音を出力すると、「コンニチワ!アサギリー!!」とのっけからチャランゴ節満載の「ベンヴィンガッツ」を披露。メンバー全員が振付をしたかのような同じアクションを繰り広げ、ノリノリで楽し過ぎるパフォーマンスでのっけから盛り上げまくる。これに呼応するかのようにオーディエンスが楽しそうに飛び跳ね、自前と思われる「ダブ DE スカ」と描かれた旗が主張を伴って心地よくはためいているのだ。

ボーカルのアルゲル・ミケルが「すごいエネルギーだ!ありがとう!」と会釈した後、独立を巡り山場を迎えている故郷カタルーニャ州のことについて「カタルーニャは今、独立宣言を前に困難に直面してるんだ。でも闘うぞ! カタルーニャに自由を!」と右左にクラウドを動かし「モリアガッテー!」と十八番のスカ爆弾を落とすものだから大変だ! オーディエンスは腕を突き上げ、ジャンプするは、モッシュするは、クラウドサーファーが続出するはでここ一番の灼熱地帯と化す。メンバー全員が最高の笑顔でガンガンに前に出てきてオーディエンスを全身で、渾身の力で盛り上げるのだ。

ラストの「オブリウ・レス・ポルテス」の中盤、バンドがオーディエンスに「しゃがんでくれ!」と要求し、その後フックをドカン! とお見舞いするとみんなで一斉にジャンプ!最高の瞬間だ。「マタネ、アサギリー!」とあらん限りの音を出し尽くし、ステージを終えた。バンド一同揃って、オーディエンスのみんなと写真を撮り、その後もしばらくの間ステージ下に降りてオーディエンスと触れ合っていた何とも微笑ましい彼ら。翌日の渋谷でのステージもめちゃめちゃ盛り上がったようだ。またすぐに戻って来て、日本を笑顔で満たしてほしい!

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Text by Takafumi Miura
Photo by Yuki Sayaka