eastern youth | 東京 EMOTIONAL RIOT | 2019.10.14

私、燃えてますから。いつでも

札幌でのLEO IMAIとの共演の2日後。10月14日、eastern youthは東京・恵比寿にあるLIQUIDROOMで開催された「LIVE HOUSE SHELTER & ERA presents. EMOTIONAL RIOT」に出演した。25組のアーティストがLIQUIDROOMの3つのステージで次々と演奏する、見応え充分のイベントだ。2階にある2つのステージも、1階のロビーやフロアも若い観客で盛況だった。

リキッドルーム1Fのメインステージ、19時35分。5分前まで3人は観客の目の前でサウンドチェックをしていたが、一度戻って再びステージに登場。フロアから拍手とともに起こったどよめきに、吉野寿(Gt/Vo)は「本当はそんなに『おお~』とも思っていないでしょ?」と応える。「eastern youth、35分間!」と言って”ソンゲントジユウ”のイントロが鳴らされると、大きな歓声が返ってきた。

前々日に関東地方にも襲来した台風19号は、広範囲にわたって甚大な被害をもたらしていた。吉野はリキッドルームに来る途中、電車の中で若い男女の「俺みてえなFXトレーダーにとっては、実は災害っていうのはガンガン円高になるからおいしいんだよね」「あ~そうなんだ~」という会話を耳にしたという。

「勝つってそういうことですか? と思いましたよ。おいしいことですか? 勝ちたくないね。勝ちたくない。負け続けたいですよ」

と憤りを隠さず”浮き雲”。村岡ゆか(Ba)と田森篤哉(Dr)がガッチリとボトムを支えているからこその迫力満点の爆音が空間を震わせる。イントロでワッとフロアが沸いた”素晴らしい世界”はサビの吉野の絶唱が胸に迫る。頭3曲で完全に圧倒された観客は、固唾を飲んで次の演奏を待つ。

「何も今日だけに限ったことではない。私たちのライブはいつでもこのような雰囲気になるんです」と静かになったフロアに語る吉野。

「イエーイ!っていうのも楽しいですけど、集団的熱狂っていうのが嫌いなんですよ。ロクなもんじゃねえんだよ。愛国の高まり! みたいなの、いらねえし。ほっといてください。私、燃えてますから。いつでも」

「そのとおり!」と沸き上がる歓声に吉野は「俺の血液の沸点を知っているか? 36度だ!」と応えて、晴れやかな響きの”沸点36℃”に入る流れは最高だった。叙情ある”夜明けの歌”は集中力に満ち、間奏でステージ中央まで出て空間を見渡す吉野にフロアが盛大に沸いた、”街の底”で締めくくった。あっという間の35分。ステージ袖に他の出演アーティストたちが沢山集い、eastern youthの演奏に見入っていたのも印象的だった。

次のライブは10月26日(土)。京都で開催される「ボロフェスタ2019」に出演する。翌日の10月27日(日)には大阪のLoft PlusOne Westで吉野のソロプロジェクト、outside yoshinoのワンマンライブ「歌の番外地 おおさか 2019」も観ることができる。年末恒例、12月8日(日)に開催される「極東最前線」に向けて、eastern youthは走り続けていく。

<SET LIST>
01.ソンゲントジユウ
02.浮き雲
03.素晴らしい世界
04.沸点36℃
05.夜明けの歌
06.街の底

<極東最前線 〜にゅーでいらいじんぐ2019〜 >
2019年 12月8日(日) 渋谷クラブクアトロ
GUEST: NITRODAY
開場 17:00 / 開演 18:00
前売:¥4,000円(前売/ドリンク代別)
詳細:https://smash-jpn.com/live/?id=3261

一般発売:10/19(土)
チケットぴあ(P:163-986)/ ローソンチケット(L:73487)/
e+(Pre:10/12-14・QUATTRO Web:10/12-14)/ 岩盤(ganban.net)/ 会場

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Text by Keiko Hirakawa
Photo by Keiko Hirakawa