eastern youth | 東京 新宿LOFT | 2019.12.14

2020年も街の底で会おうぜ!

12月14日、eastern youthが新宿ロフトで開催されたイベント「radioDTM”10th Anniversary”」(w/ 折坂悠太(合奏)、Have A Nice Day! 他)に出演した。

eastern youthにとって2019年最後のライブであり、6日前に渋谷クラブクアトロで開催された「極東最前線」で村岡ゆか(Ba)が語ったとおり、この日はキリが良く村岡加入以来100回目のライブでもあった。

出演時刻の20時40分を過ぎ、浅川マキの”少年”が流れるなかステージにメンバーが登場。歓声と拍手で迎えられる。おなじみ”ソンゲントジユウ”から目の覚めるような爆音でスタート。1曲目からの熱演に、フロアの男性客から口々に吉野寿(Gt/Vo)へ声援が飛ぶ。「呼んでも何も出ませんよ」と応える吉野。余裕が感じられるやりとりだが、”夏の日の午後”のイントロが始まれば空気はキリリと引き締まり、”砂塵の彼方へ”へと切れ目なく繋ぐ流れでグッと惹きつける。

「2019年ももうすぐ終わりそうですよ。暇な年かなって思ってたんですけど、案外暇じゃなくてよかったなって個人的には思ってます。来年のことを考えると気が重くなりますけども。やだなー、2020年の夏。でもしょうがないですよ。生きて東京に暮らせば受け止めるしかない。『来い! このやろう』と思ってますけど」

2019年の所感と来年への気構えを語って演奏された”いずこへ”。フロアからのシンガロングもいっそう大きくなり、”雨曝しなら濡れるがいいさ”へ。”矯正視力〇・六”は田森篤哉(Dr)のドラムを中心に据え、轟音が空間を震わせる間奏が見どころだ。ロフトくらいの大きさの会場で観ると、メンバー3人が合わせる呼吸や冴え渡る集中力もダイレクトに伝わってくる。持ち時間45分でありながら、5曲も「極東最前線」で演奏されなかった曲が盛り込まれたセットリストに、「今日観にきてよかった」と思った観客もいただろう。

「飽きてきた? もうちょっと付き合って」と吉野がフロアへ声をかけると、「朝までやれ!」と男性客から声が返ってくる。吉野は「死んでしまいます」と答えて空気を和ませる。「朝まで演奏はできませんけど、夜明けの歌をみなさんに」と続けて”夜明けの歌”が演奏される。「ありがとうございました。そして2020年も街の底で会おうぜ!」の言葉にすかさずフロアが沸き、フロア前方が大いに盛り上がった”街の底”で本編ラスト。吉野がマイクスタンドにギターのネックを滑らせ、軋んだノイズが空間を切り裂く間奏がハイライトとなった。

“街の底”を終え、盛大な拍手とともに見送られた3人。拍手がアンコールを求める手拍子に変わると、すぐにステージへ戻ってきた。吉野は村岡にMCを振り、村岡は予期せぬ指名にとまどいながらも笑顔を見せ、長丁場のイベントにもかかわらず演奏を聴いてくれた観客へお礼を述べた。「100回!」とフロアから聞こえてきた声に、「これからもがんばります」と応えた。

アンコールは吉野のカウントからの、”一切合切太陽みたいに輝く”。歌われるのは、ままにならない日常の中にありながら、目にする何もかもが輝いて見えるという、圧倒的なポジティビティー。吉野はまばゆい照明のなか、終盤に向けてどんどん気迫を増していく。その全身全霊で歌う姿が、来たる2020年を生き抜くためのエールのように感じられて、眩しかった。

<SET LIST>
01.ソンゲントジユウ
02.夏の日の午後
03.砂塵の彼方へ
04.いずこへ
05.雨曝しなら濡れるがいいさ
06.矯正視力〇・六
07.夜明けの歌
08.街の底

En.1 一切合切太陽みたいに輝く


『極東最前線~こんにちは名古屋・大阪~』※eastern youthワンマンLIVE
5月9日(土) 名古屋APPOLO BASE
5月10日(日) 十三 246 Livehouse GABU
Open 17:30 / Start 18:00 前売:¥4,000(ドリンク代別途)

『極東最前線~ボトムオブザ冷凍都市~』
5月16日(土) 渋谷 クラブクアトロ
Guest: NUMBER GIRL
Open 17:00 / Start 18:00 前売:¥4,000(ドリンク代別途)

【TICKET INFO】
<オフィシャル先行予約>
12月9日(月)12:00正午~12月15日(日)23:59 *抽選制

<プレイガイド最速先行予約>
12月16日(月)11:00~12月22日(日)23:59 *抽選制

受付URL: https://w.pia.jp/t/easternyouth-fareast/

<チケット一般発売>
1月11日(土)各プレイガイドにて一斉発売

詳細: https://smash-jpn.com/live/?id=3312


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Text by Keiko Hirakawa
Photo by Keiko Hirakawa