【サマソニ2024/ソニマニ総括 vol.1】「洋楽離れ」とかいわれるけど……

今年は8月17日土曜日の幕張でおこなわれる日のチケットを買ってサマーソニックを楽しんだ。もちろんその翌日も観たいアーティストはあったけど、お金や時間の兼ね合いで土曜日だけになった。

しかも、自分が観たいアーティストはそんなに早い時間に出演してなかったので、自宅からゆっくりと会場に向かったのだった。自分が観たのは、Stephen Sanchez、Bleachers、Belle and Sebastian、そしてMÅNESKINの後半だった。他にもちょっとだけとか、トイレの待ち時間に観たとかはあるけど、がっつり観たのは今年は4つだけだった。今年は(欧米の)洋楽が少なく、K-POPやグループアイドルが多いといわれたし、確かにその通りではあるけど、選べば洋楽のアーティストをみることができたのだ。それはそれで十分に楽しかった。

ジャズ、ロカビリー、ソウルなどノスタルジックな音楽を基本に、曲よし、歌よし、ルックスよしのStephen Sanchezは将来性を感じさせる。数年後にもっと後ろの時間帯や大きなステージに登場する姿が想像できた。

ポップだけど熱いステージを繰り広げたのはBleachersで、お客さんも盛り上がった。FUN.時代からジャック・アントノフが持っている多幸感をBleachersでも感じることができた。

Belle and Sebastianはもはや老舗の味わい。ゆるくて楽しい感じのライヴとなった。定番曲をやりつつ、中盤ではNHKの朝ドラ『虎に翼』の挿入歌である“You Are So Amazing”を演奏しただけでなく、NHKから提供されたその曲が流れる名場面をスクリーンに映していた。終盤では恒例となっているお客さんを多数ステージに上げて踊らせていた。

いつものBelle and Sebastianだなぁと思いながらマリンスタジアムへ。MÅNESKINはスタジアムを満員にして盛り上がっていて、すでに後半に差し掛かっていた。ヴォーカルのダミアーノは口髭を生やしていてフレディ・マーキュリーぽくなってさらにロックスター感が増したし、トーマスのギターはサウンドの中心になって会場全体を支配していた。ヴィクトリアのベースもイーサンのドラムも前回の来日公演よりも安定感があって大きな会場でも堂々と響いた。今回のサマーソニックを指して「洋楽離れが進んだ」というような記事があったけど、少なくともMÅNESKINのステージをみてそれを感じることはなかった。今回のサマーソニックで自分が選んだのは洋楽アーティストだったけど、お客さんの入りがもうちょっとあってもよかったかな、と思ったのはBelle and Sebastianくらいで、他のアーティストはそれなりに埋まっていたと思う。

サマーソニック全体としては盛況で、Belle and Sebastianが終わるまで幕張メッセにいたけど、飲食エリアは混んでいたし、特に女子トイレはいつも長蛇の列だった。一度、幕張メッセHall 9-11に新しくできた物販とクロークを兼ねた休憩所にいってみた。その会場は、ステージがある幕張メッセのHall 1-8から道路を挟んだ海浜幕張駅側にある施設で、一旦外にでないといけない(猛暑なんで数分歩くのも厳しかったりする)けど、広々として休憩できるよいところだった。ただ、このスペースを生かして何かやった方がいいのでは思ってしまう。例えば、キッズエリアや今年復活したお笑いステージをこちらに移転するとか。従来の幕張メッセは混雑がひどいのでHall 9-11の方を生かせないかなと思う。

アーティストのラインナップは常に議論になるけれども、自分は観たいアーティストがいればいくし、そうでなければいかないというスタンスである。今年は観たいのがあったし、短い滞在であったけど楽しめた。

Text by Nobuyuki Ikeda
Photo by Nobuyuki Ikeda