Isolation Berlin インタビュー「言葉の壁を超えて、曲やライヴから感じるものがある」

初来日直前!アイソレーション・ベルリンの核であるトビとマックスがバンドやライヴについて語る。

初来日ツアーを1週間後に控えたドイツ・ベルリン発のジャーマン・インディーロック・バンド、アイソレーション・ベルリン。昨年リリースした2ndアルバム『Vergifte dich』は、ドイツのオリコンことOffizielle Deutsch Chartsにて初登場30位、リードシングル”Kicks”はカレッジチャートで3位を記録するなど、バンド不況といわれるドイツの音楽シーンで異例の快進撃を続けているバンドだ。愛や喪失、葛藤など、誰もが共感できる感情を切り取った歌詞とメロディは、年齢・性別を超えて本国での評価が高い。ただ、世界的に英語で歌うバンドがメインストリームの中、彼らの歌詞は母国語であるドイツ語。そんな世界進出=英語という固定概念を覆すほど、彼らの紡ぎ出す音楽には言葉の壁を超越するパワーがあるのだ。昨年はロシアやアジアツアーを敢行、さらなる飛躍を遂げた彼らの次なるターゲットは日本。待望の初来日に先駆けてバンドの核であるトビ(トビアス・バンボーシュケ)とマックス(マックス・バウアー)にライヴにまつわるストーリー、初来日への思いについて訊いた。

ー初来日ツアー決定、おめでとうございます!2人の出会い、バンド結成の経緯について教えてください。

マックス「2010年の夏にベルリンへ移住して、それからトビに会ったよ。トビと同じ演劇学校に通ってた高校時代の友達が紹介してくれたんだ。その日のうちに意気投合して、バンドを組むと決めたんだよね」

トビ「ちょうど前のバンドを辞めたところだったし、いいタイミングだった。最初の3年間は2人だけで活動、いつもメンバーを探してたんだ。2013年にベースのディヴィッド(ディヴィッド・シュペヒト)、ドラムのジミー(ジミヨン・コスタ)が加入して、いまの体制になったよ」

ーバンド名にはどんな意味が込められているのでしょうか?

トビ「ちょうどマックスとバンドを始めた頃はなかなかうまくいかない時期で、周りとも距離を置いて気分も落ちてて。この状態を表現する言葉を探してたんだ。そんなとき頭に浮かんだのが”アイソレーション・ベルリン”。初期に作られた曲もこの感情から生まれているし、それじゃバンド名にしようってなったんだ」

ー昨年リリースした2ndアルバム『Vergifte dich』のリードシングル”Kicks”は、ドイツのカレッジチャート3位を記録。実際にベルリンのラジオやロックイベントでもよく耳にします。

トビ「何か新しいことを始めたい、ちょうどそんなときに書いた曲なんだ。最悪の気分から抜け出したい、満たされたい、そんな個人的な気持ちからね。何も満足できない日常、自分を変える新しい起爆剤(Kicks)が必要って歌ってる。ネガティヴに見えて、実はかなりポジティヴな曲」

マックス「最初はDAFみたいなジャーマン・ニューウェーヴをイメージしてたけど、プライマル・スクリームのレイヴ感を加えて、より踊れる曲に仕上がったよ」

ーライヴバンドとしての評価が高いアイソレーション・ベルリン。本国ではオーディエンスの層が幅広く、年齢・性別を超えて支持されていますよね。

トビ「僕らの音楽はストーリーを伝える感覚に近いんだ。それにユースだけでなく、誰もが抱く感情にフォーカスしてる。多種多様なストーリーと音楽が詰まっているから、ガレージやパンクのようにジャンルをカテゴライズできないんだ。そんなところが幅広い層のオーディエンスに響いていると思うし、とても嬉しいことだね」

マックス「見た目やジャンル、アティチュードを気にするミュージシャンって多いけど、僕らはかっこつけたりはしない。幅広く受け入れられるのは、音楽がアティチュードを超えて響いてるってことだと思う」

ーそんな2人のライヴで好きな曲は何でしょうか?

トビ「”Wahn”。ステージで演奏するのがとにかく楽しい曲なんだ。それにこの曲にはいろんなサウンドや声が含まれてる。例えば頭のてっぺんから響くような高い声や叫び声、喋り声とか自由だし、結構アレンジしてるよ」

マックス「”Isolation Berlin”はとてもエピックな曲。もちろん“Kicks”はいつもオーディエンスの反応がいいし外せないね」

ー初来日ツアーでぜひチェックしますね。2018年一番印象に残ったライヴについて教えてください。

トビ「2ndアルバムリリースツアー中のベルリン・アストラ(Astra)でのライブは最高だったね。アンコールのラスト曲”Wahn”で、オーディエンスに導かれてクラウド・サーフィングしたんだ。普段自分から飛び込んだりしないんだけど、オーディエンスに手を引かれて思わず。まさにクレイジーでサプライズなライヴだった。自分自身でコントロールできなかったよ」

マックス「同じくベルリンなんだけど、フォルクスビューネ(Volksbühne Berlin、ベルリンにある老舗劇場)。正直ライヴ中はあまり気分が乗らなかったんだ。全員着席だから、オールスタンディングと比べてオーディエンスの反応も分かりにくくて。でもライブ後に、その場の雰囲気や空間すべてがとてもスペシャルなライヴだったと感じたんだ。劇場でのフルライブは初めてだったしね。あとベトナム・サイゴンでのライヴもかなりよかったよ」

ーベトナムと言えば、昨年11月はバンド初となるアジアツアーを果たしましたよね。

トビ「ベトナム、マレーシア、フィリピンへ行ったんだ。異なるカルチャー、人々、見たことのない場所を知るとてもいい機会だった」

マックス「特にベトナム、フィリピンのオーディエンスは若くて、まるでKポップスターのような扱いを受けたよ(笑)。ヨーロッパとは違う不思議な感覚だった。ドイツ語の歌詞が分からなくても、ライヴでの反応はとてもよくて。ドイツ語圏外でもライヴできる、それを知れたことは大きかった」

トビ「言葉の壁を超えて、曲やライヴから感じるものがあると思う。ストーリーやメッセージも伝わるんだ。日本での反応もすごく楽しみだよ」

ーいよいよ目前に迫った初来日ツアーですが、楽しみなことはありますか?

トビ「たくさんあるよ。街を見る、新しい人たちに出会うのが楽しみ。オーディエンスやベニューの違いも気になる。あと日本のナイトライフにも興味があるよ」

マックス「ライブ後にメンバーたちと出かけるのが一番楽しみだよね。ライブ後にホテルにまっすぐ戻るのは退屈だろ?ツアー中に出会った人やライブへ来てくれたオーディエンスたちとも話したいし、レコードショップにも行きたいな。もちろん最高のライヴをすることが大前提だよ」

ー初来日公演が本当に楽しみです!最後に、今年の活動について教えてください。

トビ「新しいアルバムを制作中。実はもうすでに新しい曲が生まれてるんだ」

マックス「今年は大きなサポートツアーやフェスティバルも控えてる。もちろん日本ツアーも僕らにとって大事なイベント。チケットを買って、ライブ来てね!」

来日コメント動画

▼公演情報

■東京
SUPERFUZZ presents
Isolation Berlin Japan Tour 2019 in Tokyo
2月1日(金)Shibuya Milkyway
OPEN 18:30 / START 19:30
前売¥3,000 (税込/別途1ドリンク代) ※未就学児童入場不可
w / Luby Sparks
DJ:TAISHI IWAMI, eliy (TAWINGS)
TICKET & INFO:
Shibuya Milkyway 03-6416-3227
イープラス
ローソンチケット 0570-084-003

■大阪
Alffo Records presents
Isolation Berlin Japan Tour 2019 in Osaka
2月3日(日)SOCORE FACTORY
OPEN 18:00 / START 19:00
前売 ¥3,000 (税込/別途1ドリンク代) ※未就学児童入場不可
w / And Summer Club
DJ:ナカシマセイジ (Alffo Records)、村田タケル (School In London)
TICKET & INFO:
SOCORE FACTORY 06-6567-9852
Alffo Records 06-6539-0460
イープラス

▼アルバム情報

Isolation Berlin
『Vergifte dich』
Now On Sale
(Staatsakt / Caroline International)
Alffo Records(国内取扱店舗):
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HMV
Apple Music

Text by Yukiko Yamane
Photo by Masahiro Saito