eastern youth | 東京 東京キネマ倶楽部 | 2024.07.05

5年越しの再会の場

7月5日、ライブナタリー “eastern youth × CENT”が東京・鶯谷の東京キネマ倶楽部にて開催された。

2019年7月16日、eastern youthは当時BiSHのメンバーであったセントチヒロ・チッチが企画したイベント、「THAT is YOUTH!!!! FES curated by CENT CHiHiRO CHiTTiii」に出演している。セントチヒロ・チッチはCENTとしてソロプロジェクトを2022年8月からスタートさせ、今回はCENTとeastern youthとの初顔合わせとなった。

チケットはソールドアウトしていた。先に出演したCENTは、5年前に初めて自分で意思表示して企画したイベントにeastern youthに出演してもらったこと、ふたたび共演できるこの日が自身にとってとても大事であり、今日ここに集まったお客さんのことも大事に思っていると述べた。そして、ソロ活動で初めてBiSHの曲を演奏すると語り、”スパーク”を演奏した。”スパーク”はBiSHのデビュー曲であり、eastern youthの”夜明けの歌”にインスパイアされている。CENTの万感が染み入るようなパフォーマンスを、観客は受け止めていた。

後に出演したeastern youth。満員のフロアの8割程度はCENTのファンと思われる観客で埋まっていたが、CENTがeastern youthに示したリスペクトを観客も理解しているからか、その場に留まって真剣に聴いている人が多かった。

代表曲が勢揃いしたセットリストのなかに”サンセットマン”や”時計台の鐘”の寂寞感が効いてくる、見応えのある演奏だった。もちろん、いつもどおり”夜明けの歌”も演奏された。“ズッコケ問答”の前には、吉野寿(Gt/Vo)から5年前の共演の話も出た。

「バックステージにチッチさんがカレーを作っておられて、僕らの出番が遅かったんですけど、終わって楽しみに食べに行ったら売り切れだったんです。それをご本人に売り切れでしたって訴えたところですね、5年越しでいただきました。マジで非常においしい、お店で出てくるみたいなカレーでした」と語り、観客から拍手が沸く。アンコール前には村岡ゆか(Ba)も「カレー、私もいただきました。非常においしくて、嬉しかったです」とコメントしていた。吉野のアンプ(JC-120、9枚目の写真)の上には、5年前にセントチヒロ・チッチからプレゼントされた似顔絵(5年前のレポートでは7枚目の写真のアンプに貼ってあるもの)が見えた。

7月7日は東京都知事選挙の投票日である。吉野が選挙に言及するのは久しぶりだが、通常運転でもある。

「誰に投票しようとかは言いませんけど、関係してくるから。自分の生活に。ハッキリしているのは、一番最初にババを引かされるのは、持ってない人ですよ。いちばんお金を持ってない、名誉を持ってない、権力とか、腕力もそう。あらゆる力を持っていない人から酷い目にあっていくことになっているわけ。誰が味方なのかってことは、ゆめゆめ考えてほしいと私は思っている。考えてほしいと思っているよりは、私は考えてます。とっとと投票は済ませてあります」

そして吉野が力強く”ソンゲントジユウ”のフレーズをギターでつまびき、「生存の、実感と、尊厳と、自由」と噛み締めるように語り、観客の歓声のなか”ソンゲントジユウ”が始まったのが、この日のハイライトだった。6月のフェス出演と9月に予定されているライブの谷間の時期に、eastern youthらしさと冴え渡った演奏が光る1時間強だった。

<SET LIST>
01.夏の日の午後
02.今日も続いてゆく
03.サンセットマン
04.ズッコケ問答
05.雨曝しなら濡れるがいいさ
06.ソンゲントジユウ
07.時計台の鐘
08.沸点36°C
09.夜明けの歌
10.街の底

En.青すぎる空


『ANIMA5th ANNIVERSARY”ANIMISM#20240905″』
9月5日(木)心斎橋ANIMA
<出演>
eastern youth / 踊ってばかりの国
OPEN 18:00 / START 19:00
前売:¥5,000(ドリンク代600円)
詳細:https://liveanima.jp/live/gig/anima5th-anniversary「animism20240905」

『NAGOYA CLUB QUATTRO 35th Anniversary “rendezvous »』
9月6日(金)名古屋クラブクアトロ
<出演>
eastern youth / 揺らぎ
OPEN 18:00 / START 19:00
前売:¥4,500(ドリンク代600円)
詳細:https://www.club-quattro.com/nagoya/schedule/detail.php?id=15930

『極東最前線104 ~水星からの物体X~』
9月15日(日) 渋谷 クラブクアトロ
Guest: SuiseiNoboAz
Open 16:00 / Start 17:00
詳細:https://smash-jpn.com/live/?id=4191

eastern youth | 記事一覧

Text by Keiko Hirakawa
Photo by Keiko Hirakawa