FUJI ROCK FESTIVAL’18 直前特集! 〜7月27日・金曜日出演の見逃し厳禁アーティスト10選〜

待ちに待ったタイムテーブルも発表され、いよいよ目前に迫ったフジロック・フェスティバル。今年はYoutubeでのメイン4ステージの一部パフォーマンスの中継配信もあり、現地組だけではなく自宅待機組もワクワク感に拍車がかかってきたことだろう。

あらためて、今年のフジロック出演アーティストラインナップを眺めてみる。ここ数年で最も“攻めた”ラインナップと言えるのではないだろうか。ヘッドライナーにN.E.R.D、ケンドリック・ラマー、そしてボブ・ディランの3組を据えたところからして凄い。それでいて、日本のフェスならではの面子もしっかりと押さえられている。フジロックには、アーティストがどこよりも素晴らしいライヴを繰り広げてしまうマジックがある。

まだフジロックに来たことがない方、あるいは行こうか迷っている方がいらっしゃったら、ただ足を運ばれることをおすすめする。今年のフジロックの強力なラインナップは、必ずやあなたの音楽人生の新しい扉を開くことだろう。リム・プレスではフジロック常連から、注目のニューカマーまで、見逃し厳禁のアーティストをピックアップ。1日目10組、2日目12組、3日目10組の合計32アーティストを紹介する。


サカナクション【7/27(金) 18:50〜20:00 @ GREEN STAGE】

フジロック2度目の出演となるサカナクション。前回はホワイトステージ、ヘッドライナーのジャスティス前ながら、会場を多いに沸かせたことも記憶に新しい。ステージを構成する「チーム・サカナクション」が作り上げる、音響から照明まですべてにおいて妥協しないステージは、想像をはるかに超える。昨年は6.1ch立体音響システムを駆使したライブを、8K映像と22.2ch立体音響システムで収録するなど、意味が分からない次元まで踏み出している。果たしてグリーンステージでどんなステージを再現するのか。グリーンステージ周辺に、見慣れない設備があるかも、しれない。

サカナクション『多分、風。』


Years & Years【7/27(金) 16:50〜17:50 @ GREEN STAGE】

圧倒的な存在感を発揮した2016年のレッド・マーキーのヘッドライン・ステージ。あれからわずか2年。彼らがネクストレベルへの階段を登り始めていることを、7月6日にリリースされる新作『Palo Santo』のトレーラー映像が物語っているような気がしてならない。もしかしたら、それはもしかしたら僕らが期待する彼らの音(ファースト・アルバム『Communion』)ではないかもしれない。しかし、彼らが今後更に進化していく過程において、それらが必然なプロセスであることを、アルバムとグリーン・ステージでのパフォーマンスで証明してくれるに違いない。

『Palo Santo』予告編


ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA(feat. 仲井戸”CHABO”麗市、甲本ヒロト、奥田民生、トータス松本)【7/27(金) 14:50〜15:50 @ GREEN STAGE】

まさに「苗場の箱バン」。 ルート17・ロックンロール・オーケストラは池畑潤二率いる苗場音楽突撃隊を中心にゲストを迎えて繰り広げられるショーである。花田裕之、井上富雄というルースターズのメンバーさらにヤマジカズヒテが中枢にいるのでロックの尖ったところを残しながら、過去には八代亜紀を迎えて「舟唄」を演るなど、バラエティー豊かである。今年は、仲井戸”CHABO”麗市、甲本ヒロト、奥田民生、トータス松本などを迎える。ヒロトは2013年に西城秀樹の「YMCA」や「情熱の嵐」を歌ったので、今年は追悼があるかどうかも注目だ。

FRF2013 – ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA (YMCA)


ODESZA【7/27(金) 20:20〜21:20 @ WHITE STAGE】

オデッザというと、ガンダムが好きな人は即座に「作戦」といいたくなるのだけど、あちらは「Odessa」でこちらは「Odesza」である。本当は「Odessa」と名乗りたかったらしいけど、同名のユニットがあったのでSをZに変えたらしい。オデッザはハリソン・ミルスとクレイトン・ナイトによるシアトル発の人気プロデューサー・ユニット。エレクトロでオシャレなサウンドで本国では多くの人気を獲得しているようだ。フジロックのステージはどんな形態になるか。エレカシ後に訪れるオシャレ空間にあらゆる意味で注目だ。

ODESZA – Higher Ground (feat. Naomi Wild) – Official Video


エレファントカシマシ【7/27(金) 18:20〜19:10 @ WHITE STAGE】

フジロック1日目、苗場の日没時間は18:56(Google調べ)。周囲の山々とホワイトステージが刻々と夕闇に沈んでいくドラマチックな時間帯に登場するのは、デビュー30周年のアニバーサリーイヤーを大成功させたエレファントカシマシ。満を持してのフジロック初出演だ。稀代のロック歌手、宮本浩次の激情から繊細さまでを表現し切る天性の歌声と、デビュー以来メンバーチェンジ一切なし、鉄壁の結束を誇るバンドが放つ渾身のロックは、向かうところ敵なし。代表曲も多数あるなか、最新アルバム『WAKE UP』収録の「Easy Go」ではさらなる新境地に到達。齢五十を超えてなお加速度を増して疾走するパンク・サウンドは驚異的。思わず目頭が熱くなり、拳を握りしめてしまうこと必至だ。

エレファントカシマシ「Easy Go」Short ver.


Albert Hammond Jr.【7/27(金) 16:30〜17:20 @ WHITE STAGE】

2000年代のロックンロール・リバイバル最前線に立っていたバンド、ザ・ストロークスのギタリスト、アルバート・ハモンドJr。ソロ活動というものは「バンドでできないことをやるための存在」であることが多い。しかし、彼がこれまでリリースしてきた4枚のアルバムと1枚のEPには、ザ・ストロークスの路線を踏襲しつつも、ザ・ストロークスにはない煌めきがある。それは、先日リリースされた4枚目のソロアルバム『Francis Trouble』も然りだ。ヴォーカリスト兼ソングライター兼ギタリストとしての”アルバート・ハモンドJr”の煌めきを、是非とも苗場で目に焼き付けたい。

“Set To Attack” (Official Video)


PARQUET COURTS【7/27(金) 14:50〜15:40 @ WHITE STAGE】

米国、ニューヨークはブルックリンを拠点に活動する4人組パンクバンドのパーケイ・コーツ。「ワイヤーの再来」とか「第二のストロークス」と称される人気バンドだ。ブラック・フラッグなどの80年代USハード・コアとグランジ以降のインディー・ロックの影響下にあるローファイ感がたまらない。2014年以来の出演となるフジロック。ニューヨークのラフ・トレードでの新譜のリリース・パーティーの映像を観てほしい。ここにはプロデューサーのデンジャー・マウスのギミックは一切ない。現況に対する怒りをぶちまけるかのようなストレートなパンクの連打に胸が熱くなる。苗場で繰り広げられるであろう熱狂のステージが待ち遠しい。

Parquet Courts @ Rough Trade | Pitchfork Live


Mac DeMarco【7/27(金) 20:00〜21:00 @ RED MARQEE】

インディーそのままの存在感で世界を制した男。ポップでサイケデリックでメロウでドリーミング。それはつまり、インディー・ロックの良さをそのまま表現しきっているということ他ならない。2010年代後半のインディー・ロックスターが奏でる楽曲は切ないラブソングから、自分の好きなものまでを歌にしてしまう自由さを含んでいる。何も変わらず世界を夢中にさせた僕らの等身大スター。僕らはきっとまたその世界に酔いしれる。

Mac DeMarco // “My Kind of Woman” (OFFICIAL VIDEO)


Let’s Eat Grandma【7/27(金) 14:00〜14:50 @ RED MARQEE】

元々グライムス(Grimes)に匹敵するカウンター度合いを持っていた彼女たちが新曲のパートナーに選んだのはなんとソフィー。1stアルバムでもその鋭利な雰囲気を醸し出していた彼女たちの新モードはさらに尖ってしまっていた・・・。ああ、10代の怖いものなさ。

インディー・ロックというものはそもそもジャンルではなく、その立ち位置だったはず。だけど、いつしかスーパースターも含まれる1つのジャンルになってしまっていた。恐らくこのステージは、彼女達が一介のインディー・バンドから、グライムスやチャーチズのステージに上がるための1つの幕開けになるかもしれない。その過渡期、スーパーオーガニズムだけに背負わせるのは勿体無くない?

Let’s Eat Grandma – It’s Not Just Me (Official Video)


outside yoshino【7/27(金) 18:30〜19:00 @ 苗場食堂】

オアシスエリアで買った新潟の地酒片手に観たら、最高に染みるのでは? 土曜日にはグリーンステージに登場するイースタンユースのギター・ボイス担当、吉野寿が3度目の苗場食堂に登場。エレキギターを携え、アルコールを燃料に爆発させるパンク魂と、ときに激烈な絶唱、ときにしみじみ聴かせる歌心を目の前にしたら、こちらも飲まずにいられない。今年からエレキをアコースティック・ギターに持ち替え、「歌のさいはて」と銘打った、少人数の観客の前で歌う試みをスタートさせた。吉野は今年の苗場食堂でも、「歌のさいはて」スタイルで演奏すると予告している。はっきり言って、レアです。

bedside yoshino 『ナニクソ節』


<FUJI ROCK FESTIVAL’18 直前特集!>

〜7月28日・土曜日の見逃し厳禁アーティスト12選〜

〜7月29日・日曜日の見逃し厳禁アーティスト10選〜


<FUJI ROCK FESTIVAL’18 開催概要>
開催日:7月27日(金) 28日(土) 29日(日)
開場/開演:開場 9:00 / 開演 11:00 / 終演予定 23:00
開催地:新潟県湯沢町苗場スキー場
オフィシャルサイト:http://www.fujirockfestival.com/

Text by  LIM Press
Photo by 宇宙大使☆スター