eastern youthの全国ツアー『極東最前線/巡業 ~石の上にも三十年~』。全14本中、7本目となる新潟公演が行われ、ちょうど折り返し地点に差し掛かった。
バンドの登場を待ち受ける空間に、鳴り始めるSE。メンバーがステージに登場する間際、フロアに聴こえてきたのは、バックステージで吉野寿(Gt/Vo)が村岡ゆか(Ba)と田森篤哉(Dr)にかけた「さぁ、行こう!」という気合の入った声。そのままの勢いで、序盤から気迫満点の濃密な演奏が続く。曲間は大きな拍手がスッと止むと、静けさのなかに吉野の爪弾くギターの音が浮かび上がる。観客も相当な集中力で、この瞬間を受け止めている。
「新潟。独特なグルーヴの街、新潟。決しておおっぴらに盛り上がらない街、それが新潟。しかし、今となっては、どこの街でも皆さんの仲間のような方々がいらっしゃいます。すなわち、日本新潟化計画」
吉野の言葉に、観客から笑いが起きる。「いいんですよ。新潟で気づかされたような気がしますよ。みんなそれぞれ、各々でいいんだなと。別につまんないわけでもなさそうだ」と返す吉野。フロアとステージが決して馴れ合わない緊張感を保ちつつ、長い年月をかけて築いてきた信頼関係で結ばれているのがわかる。
終盤には田森のMCもあった。ツアー半ばで田森がMCをするのは非常に珍しい。約2分間、バンドの初期のころの新潟にまつわる思い出話とともに、「またツアーの後半に向かって頑張っていきますので、時間があれば東京の方にも是非来てください」と締めた。フロアを満たす声援と拍手に応えて、田森が立ち上がって手を挙げると、拍手がいっそう大きくなる。村岡も、すっかりおなじみとなった素朴な人柄が感じられるMCで、観客の頬をゆるませた。
ツアーは後半へ。初日から見ごたえ充分だが、終盤に向けてどう展開していくか、ますます楽しみだ。
【eastern youth 極東最前線/巡業 ~石の上にも三十年~】
9/23(日)千葉 LOOK
9/29(土)京都・磔磔
9/30(日)金沢 GOLD CREEK
10/6(土)札幌 cube garden
10/27(土)仙台 CLUB JUNK BOX
10/28(日)盛岡 the five morioka
11/3(土)新潟 CLUB RIVERST
11/4(日)長野 LIVE HOUSE J
11/10(土)福岡 DRUM Be-1
11/23(金・祝)広島 4.14
11/24(土)岡山 ペパーランド
12/1(土)大阪・梅田CLUB QUATTRO
12/2(日)名古屋 CLUB QUATTRO
12/8(土)渋谷 TSUTAYA O-EAST
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