35年の歩みの果て
eastern youthの結成35周年を記念する全国ツアー『35周年記念巡業~EMOの細道2023』の初日となる横浜公演が、9月23日、F.A.D YOKOHAMAで開催された。
2018年の結成30周年ツアー以降の5年を振り返る。コンスタントにeastern youthの主催する『極東最前線』の開催や、イベントへの出演が続いたなか、2019年の日比谷野外音楽堂ワンマン公演、2021年と2022年のLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)公演、2022年5月の日比谷野外音楽堂でのNUMBER GIRLとの共演、今年のFUJI ROCK FESTIVALでのRED MARQEEへの出演など、比較的大きな会場でのライブがひときわ印象に残っている。
しかし、新型コロナウイルスの影響で2020年、2021年のライブは多くがキャンセルまたは日程延期となり、開催できたライブも着席での観覧や、収容人数の制限をせざるを得ない状況だった。2020年にリリースされた通算18枚目のアルバム『2020』を携えたツアーも開催されなかった。
誰一人として予測できなかったこの混迷の5年間を経て、eastern youthは結成35周年の節目のツアーの初日を迎えた。チケットはソールドアウトしていた。歓声に沸く満員の観客を真顔で一瞥してギターを構える吉野寿(Gt/Vo)、定位置につく村岡ゆか(Ba)、田森篤哉(Dr)の様子は恐ろしいくらいにいつもどおりだった。
張り詰めたテンションとともに、掛け値なしの35年の歩みの果てが鳴らさられていた。吉野の絶叫、強靭なアンサンブル、文句なしの決定版とも言うべき曲目群。それらが揃っていれば、特別な演出など一切なくとも充分だった。1曲目から最後の曲まで、ライブ一本まるごとが35年分の歩みの反映と、メンバー3人の生命の結晶ともいうべき重厚さと人間味と美しさをたたえていた。
それにしても、ツアータイトルの『EMOの細道』が気になる。吉野は「もちろん冗談ですよ」と語って、フロアには笑いが起こっていた。これから会場に足を運ぶ方は、3人の演奏を目の当たりにして、その真意を感じ取ってみてほしい。12月2日、渋谷Spotify O-EASTで迎える最終日まで、曲目やMCの詳細の記述はなるべく控えるが、写真を中心にできるかぎりツアーの模様を追っていきたい。
『eastern youth 35周年記念巡業~EMOの細道2023』
https://smash-jpn.com/live/?id=3967
横浜 9/23(土) F.A.D YOKOHAMA
福岡 9/30(土) DRUM Be-1
京都 10/7(土) 磔磔
盛岡 10/21(土) CLUB CHANGE WAVE
仙台 10/22(日) Rensa
岡山 10/28(土) YEBISU YA PRO
新潟 11/3(祝) CLUB RIVERST
札幌 11/19(日) ペニーレーン24
大阪 11/25(土) 梅田クラブクアトロ
名古屋 11/26(日) 名古屋クラブクアトロ
東京 12/2(土) 渋谷 Spotify O-EAST