eastern youth | 長野 THE CAMP BOOK 2019 | 2019.06.08

青空を味方に

4月20日の極東最前線以来、宮城のARABAKI ROCK FEST.、 鹿児島のWALK INN FES!、沖縄でのワンマンライブを経て、愛知での森、道、市場と、地方でのライブが続いたeastern youth。その間、吉野寿(Gt/Vo)はソロライブも3本行い、なかなか濃い1ヶ月半だった。

昨年は新潟で開催されたが、今年は長野に開催地が変わったTHE CAMP BOOK 2019。eastern youthの出演時間、14時頃の会場の天気予報は雨だったが、メンバーが現地に着いた12時頃には雲の合間から青空がのぞいていた。吉野は楽屋であらかじめ用意していたセットリストの5曲目にあった”雨曝しなら濡れるがいいさ”を消して、3曲目に”青すぎる空”と書き加える。曲目が現地で変更されるのは珍しいが、村岡ゆか(Ba)と田森篤哉(Dr)は落ち着いて応じていた。その後も空は晴れたり曇ったりしていたが、出演時間の頃には気持ちの良い快晴となった。

ようやく晴れた開放感も手伝って、1曲目の”夏の日の午後”から素晴らしい盛り上がりを見せた。演奏と観客の合いの手もしっかり合い、バンドと一緒に歌っている人も多い。2曲目の”砂塵の彼方へ”が終われば、観客から「最高!」という声が上がり、吉野への声援も飛ぶ。”青すぎる空”も、臨機応変にセットリストを変更した甲斐があり、広い青空の下で聴くことができた。大きな拍手を送る観客に、吉野は「よかったですね、雨が上がって」と応える。

「楽しいのが一番ですよ。世の中、楽しくないことがいっぱいありますよ、本当に。水を差すようですけれど忘れてませんよ、楽しくないこと。でも楽しみたいよね」

吉野の言葉に、大きな歓声が返ってくる。

「そうなんですよ。自分の生き方どう生きようが、誰かにとやかく言われる筋合いはねえんだよ。自然に生えてる葉っぱを乾燥させて吸ったって、とやかく言われる筋合いはねえ」

突然の時事ネタに爆笑する観客に「……俺が吸っているという意味ではない」と付け加えて、”ソンゲントジユウ”がスタート。「一杯飲めば雲が出る。二杯飲めば雨が降ってくる。二杯飲む者が三杯飲まないわけねえだろう。三杯飲めば、真っ青な空から雪が降ってくる」と吉野が語ってからの”時計台の鐘”も染みた。フェスの限られた演奏時間でも、曲間にギターを奏でながらMCで緩急豊かな流れを作り出せるのは流石だ。

“夜明けの歌”と”街の底”でさらなる高揚を迎えて、見渡す限りの観客の拍手と歓声に沸いた40分だった。1週間前の雨の海辺での森、道、市場と、晴れた高原でのTHE CAMP BOOK。この2回のフェス出演で、eastern youthは9月28日(土)に開催される日比谷野外大音楽堂でのワンマン公演への道のりの前半戦を終えた。対照的な環境での演奏だったが、どちらも見応え充分。野音でライブを観るのが一層楽しみになった。

次のライブは7月5日(金)。大阪・十三FANDANGOで開催される、SuiseiNoboAz自主企画”BIGGER THAN BIG BOX WEST »(w/ SuiseiNoboAz、クリトリック・リス)に出演する。

<SET LIST>
01.夏の日の午後
02.砂塵の彼方へ
03.青すぎる空
04.ソンゲントジユウ
05.時計台の鐘
06.夜明けの歌
07.街の底


<eastern youth 日比谷野外大音楽堂公演 開催概要>
2019年 9月28日(土) 日比谷野外大音楽堂
開場 16:45 / 開演 17:30
※雨天決行・荒天中止
前売:¥4,500(全席指定) / ペアチケット:¥8,000(全席指定)
※未就学児童は保護者同伴に限り入場可(小学生以上はチケット必要)
※未就学児童でも座席が必要な場合はチケットが必要です。
詳細: https://smash-jpn.com/live/?id=3150


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Text by Keiko Hirakawa
Photo by Keiko Hirakawa